夫が生前葬、米作りを25年…藤田弓子&日色ともゑが語る「60年代の朝ドラヒロインの今」
画像を見る ボートで夫と釣りに行く藤田弓子

 

■日色ともゑは新潟で田植え&収穫「米作り25年」

 

日色ともゑ(80)は『旅路』(’67年4月〜’68年3月)で国鉄職員の妻・室伏有里を演じた。

 

「“ともゑ米”を作り始めてもう25年です。新潟の旧岩室村に私の田んぼがあって、コロナ前は毎年田植えに行っていました。原爆を伝える朗読劇を村でしたとき、今度は子供たちのために朗読会を、ギャラの代わりに『田んぼでどうでしょう』って。翌春、本当に『田んぼの支度ができたから田植えに来てください』って言われてびっくり(笑)」

 

現在は2月に公演の劇団民藝の舞台『レストラン「ドイツ亭」』の稽古中だ。かねてから「80歳で引退して“夫孝行”する」と公言していたが、元々は沢村貞子の言葉だった。

 

「2度目の朝ドラ出演作『おていちゃん』(’78年)で原作者の沢村さんと出会い、80歳の引退パーティのご挨拶で聞いて素敵だなと感じて。沢村さんから『あなたも80までやりなさいよ』と言われたので目標にしてきたんです。でもいざ80近くなったら孝行する夫が亡くなってしまったので、結局は劇団孝行しています(笑)」

 

いまだに地方に公演に行けば「旅路の日色さん」と声がかかる。

 

「50年たっても覚えてていただけるなんてうれしいですよね。父に『君にとって例外的な1年だ。毎年続くんじゃないよ』と諭されたことがありますが、劇団という戻る場所もあったおかげで、勘違いもせずやってこられました」

 

そう笑いながら稽古に向かった。

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