■「ここに出しておけば間違いない」という場所がない
「一回だけ(矢崎に)週刊プレイボーイをやらせたのかな。もちろん水着なしでね。それでもウチの事務所の女性スタッフたちに『矢崎さんに何をやらせているんだ』と怒られてしまって。でもそうすると、売り込むやり方が分からなくなってしまったんです。きっかけづくりが難しいんですよ」(野田氏)
大きなメディアが衰退し、全面的なデジタルシフトが起きている現代。情報が溢れかえるなかで、いかに女優の魅力を多くの人たちに知ってもらうかに頭を悩ませているようだ。
「昔は写真集を出すってある種のステータスだったでしょ。出す子によっては2万部スタートでしたから。写真集で6,7万部という数字を叩き出せた時代です。今だとデジタルで撮っていただけるようになり、ハードルも低くなりました。でもそのいっぽう写真集は必ずしもステータスではなくなっているんです。この時代、女優を売り込むための手段が多いから、逆に『ここに出しておけば間違いない』という場所がないんですよね」
情報発信の場が多くなったことによる逆の難しさがプロデュースの現場で起きていると野田氏は話す。
「矢崎には『焦るな』と言っています。40歳になって才能を開花させる方もいますしね。例えば、歌にもお芝居にも昔から脈々と周知されているものってあるじゃないですか。(矢崎には)そういう作品に出会えればいいなと思っています」
いまはなんと矢崎の現場マネージャーも野田氏本人が受け持っているという。
「現場マネージャー? 俺だけですよ(笑)」
「野田さん自ら現場に来るので、いつも周りがビックリしてるんです(笑)。今の事務所に所属してから、野田さんが頻繁に現場に入ってくれてます」(矢崎)
「自分がプロデュースしている子っていうのは、売れたらいうこと聞かなくなっちゃうんですよ。話ができるのは今だけだから大切にしたい。でも小池(栄子)なんかは、今でもちゃんと普通に話できます。俺のほうが緊張しちゃうけどね」
「私も早く社長を緊張させたいですね。現場に一緒に来てくれるなんて、本当にありがたいです。実際に足を運んでいろいろ声をかけて下さっている姿を知っているので、すごくうれしい。だから野田さんにいろいろと厳しいことを言われても、それは仕方ないと我慢してます(笑)」(矢崎)