だが、一般的な新婚生活とは少し異なるようだ。
「私たちは別居婚で別財布。私の仕事第一主義は変わりません」
旦那さんは木・金曜が休み。一緒に出掛けたり夫婦で過ごすという。
「旦那と一緒のときもノーメークで本当に楽。旦那の“ありのまま受け入れすぎ問題”もあります(笑)」
旦那さんのありがたみを痛感したのは、この夏、影木さんが胆石で急きょ手術となったときのこと。
「入院・手術の手続きや買い物と全部つきそってくれて。結婚してよかったと心から思えました。
入院中、私の部屋の掃除もしてくれて。『このペットボトル、2016年って書いてあるよ。熟成させても腐るだけ』と、喜んで片付けていました(苦笑)。
旦那は、家族へも心遣いをしてくれます。
親戚のぎっくり腰を見てくれたり、姪や甥の相手をしてくれたり、家族で食事をすると、気付くとお皿を片付けてくれたりして。
彼いわく『えいこちゃん(影木さんの本名)が先に死んだ場合にも仲よくしてもらいたいから、みんなの役に立ちたい』と言っています」
結婚前、「姉はだまされているのでは?」と心配していたDAIGOさんも、今では信頼を寄せる。
「私が、遺産は遺言を書いてみんなにのこすと言うと『全部旦那さんにあげなよ。お姉ちゃんと結婚してくれたんだよ。足りないくらいだよ』と言うほど。
でもジュエリーは景子ちゃんに渡して、姪っ子に分けてあげようと思っています」
婚約・結婚指輪選びで、旦那さんはジュエリーに詳しくなった。
「写真を見て価格を当てたり、『それは今持っているものに似合わない』と意見できるようになって。これが俗にいう“旦那の教育”(笑)?」
胆石の手術を終えて退院したとき、うれしいサプライズが待っていた。
「この後値上がりするから、スイート10の8年先取りしたい」と、旦那さんがリングを贈ってくれた。
「彼が『8年間使ったほうがコスパはいい。だから今すぐ買わせてくれ』と。
これは“10年目までよろしくリング”です。
景子ちゃんは『旦那さん、間違ってない。正しい』と。
弟は『旦那さん、お金を借りたりしてない?』と、心配していました(苦笑)。
夫婦別財布なので確かめてはいませんが、お仕事しているので、大丈夫かなと」
旦那さんは、影木さんとの結婚について、雑誌のインタビューで《将来への不安が減り心が安定し、自慢の妻のお陰で両親を喜ばせることができたこと。妻の家族にも温かく受けいれられて感謝している》と。
結婚2年目、今は「浮気はどこから?」とそのラインを夫婦で見定めていると笑う。
そして、結婚を経て仕事のスタンスにも変化が。
「BLも好きですが、50婚をして、幅広い層に訴えかけるものをという意識が強くなってきました」
50婚は、激しい恋愛ではなく、人として好きだなと感じられる居心地のよさがあると影木さん。
「根本的な価値観が合っていれば自由でいられる別居婚。50婚は少しずつ時間をかけて家族になっていくイメージ。
旅行に行って気付いたのが、朝型の旦那と夜型の私は一緒の部屋では眠れない! 次の旅行は部屋を別にしようかな(笑)。
旅行は、やっぱり寝室とトイレは別がいいなど、同居の予行演習になります」
結婚してからお互いの価値観をいろいろ探り夫婦になっていく50婚。影木さんの人生に鮮やかな彩りをもたらしてくれたようだ。