■霧を晴らしてくれた大先輩・小野文惠アナの一言
そんな鈴木アナの転機となったのは、就任から半年ほどが経ったころ、局内の廊下で偶然出会った『鶴瓶の家族に乾杯』を担当する大先輩・小野文惠アナウンサー(58)からの言葉であった。
「スタジオの廊下のソファで、お話しする機会があり、思い切って『アナウンサーとしての役割や、自分の出し方にすごく悩んでいるんです』と打ち明けました。
そうしたら小野さんが、こんな言葉をかけてくれました。『鈴木さんがそこに座っている意味は、ただ情報を伝えるだけじゃないのよ。40代の一人の女性として、いま画面の向こうにいる人たちの疑問やお悩みを代弁するためにいると思う。
だから、自分がどう思われるかじゃなくて、視聴者を代表して“これを聞かなきゃ”“これ困っているよね”と思ったことであれば、臆せずどんどん言っていけばいいんじゃない?』」
この言葉を聞いた瞬間、鈴木アナの目の前を覆っていた霧が突然パッと晴れたという。
「ハッとしました。自分個人を出すのではなく、視聴者の“代弁者”としてそこにいればいい、自分が感じている事は、同じ課題を抱える視聴者の皆さんも感じている事なんだ、と思えたら、一気に肩の荷が下りました。盛り上がっているトーク中、どのタイミングで言葉を挟めばいいのか、という迷いもなくなり、そこから番組がものすごく面白くなっていったんです。
視聴者の皆さんと一緒に生活の悩みを共有し、人生を豊かにしていこう!というマインドにチェンジできました」
自分の等身大の生活が、そのまま番組のテーマとフィットする喜び。それこそが、現在の鈴木アナの大きなやりがいへとつながっている。
「20代、30代のときにはできなかった、40代の今の自分だからこそ、背伸びせずに視聴者の皆さんと共有できる実感がある。今でも毎日『今のタイミングでのコメントは違ったかな…?』などと反省することもありますが、みんなで一緒に番組を進めていくあの温かい空気感の中で、毎日を過ごせていることが本当に楽しいです」
