(C)The Japanese American National Museum
「ハローキティは猫ではない。繰り返す。猫では、ない」——28日朝、米国メディアの見出しは「ハロー・キティは猫じゃなかった!」という文言で埋め尽くされた。一体何が起こったというのだろうか。事の顛末を詳しく見てみよう。
現在、ロサンゼルスの全米日系人博物館では、ハローキティ誕生40周年を記念したイベント「Hello! Exploring the Supercute World of Hello Kitty」の準備が進められている。このエキシビションには人類学者でハローキティの研究を行っているクリスティーン・R・ヤノ氏がアドバイザーとして招かれた。ヤノ氏は「キティは猫である」という前提で展示物の説明文を書き、内容の確認のために原稿をサンリオへ送付。その返信では「誤りをかなりしっかりと指摘されました」とヤノ氏は言う。それは全世界の人々が同じように認識しているであろうハローキティの常識を覆すものであった。
「ハローキティは猫ではありません。彼女はマンガのキャラクターです。小さな女の子であり、みんなのお友達です。でも、猫ではありません。彼女は決して四つん這いにはなりません。二本脚の生き物と同じように歩き、座ります。そして彼女には“チャーミーキティ”という猫のペットがいるのです」
驚くべきはこれにとどまらない。さらに多くの情報がもたらされた。
「彼女のフルネームはキティ・ホワイト。星座は蠍座。好きな物はアップルパイ。彼女には双子の姉妹がいます。永遠の3年生で、ロンドン郊外に住んでいます」
これらは設定として公表されているものだが、「知っている人は少ないでしょう」とヤノ氏。「ハローキティが世に出た1970年代は、日本女性がイギリスに憧れを抱いていた時期に重なります。こういうバックグラウンドは興味深いですよね」。
Hello! Exploring the Supercute World of Hello Kittyは10月11日から来年4月26日まで行われる。