The Telegraph
2011年、急性アルコール中毒により27歳という若さでこの世を去ったエイミー・ワインハウス。その死から既に4年が過ぎたが、彼女の存在感は薄れることなく音楽界に君臨し続けている。
エイミーが死を迎えた時に妊娠していたと彼女の父ミッチ・ワインハウスがテレビ番組で明かした。
「娘はレグと交際していて、結婚する予定でした」
ワインハウスは前夫のブレイク・フィールダー・シヴィルの影響でドラッグとアルコールに溺れ、公私共に荒みきった生活を送っていた。2008年に離婚した後、映画監督のレグ・トラヴィスと出会ったことで彼女は劇的な回復を見せる。二人は心から愛し合い、信頼し合っていた。
「こんなことを話すべきではないのでしょうが、娘は妊娠していました。彼女が自ら命を絶ったという印象を与えているのは、実に嘆かわしい」
ミッチが糾弾しているのは、7月に英国で公開されたエイミーのドキュメンタリー映画『Amy』の一部の描写だ。ミッチはリハビリ施設に入所したエイミーを見捨てた父親として描かれている。その他にも、親しい人のインタビューをカットしたり、意図的な編集を施したりと、「ミスリードだらけで不正確そのもの」だとミッチとレグは主張している。ミッチの言い分からして、おそらく映画の中のエイミーは自殺したことになっているのだろう。父が娘の名誉を守るために、「妊娠していたのだから自殺などするはずはない」と告白したのだ。しかし、それが本当であるならば、妊娠を知りながら酒を痛飲したエイミーの責任が問われる事態となるのは自明の理だ。
ミッチとレグは『Amy』の出来に不満を隠さず、新たに自分たちでドキュメンタリー映画を撮る方針だ。しかし、英国では『Amy』の興行成績は非常に好調だという。