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21日に57歳で急逝したプリンス。世界中が彼の死を悼む中、その2億5,000万ドル(約270億円)とも言われる遺産の行方にも注目が集まっている。
プリンスには2回の結婚歴があるが、いずれも離婚に終わっており、亡くなった当時は独身だった。1996年、最初の妻との間に息子が誕生したが、先天性の難病により生後1週間で夭逝している。両親は既に鬼籍に入っており、完全な血縁者は妹のティカ・ネルソンただ1人だ。ただし、異母きょうだい(父親の連れ子)は5人が生存している。
プリンスは遺言状を遺していなかった。この場合、彼の遺産はどう分配されるのだろうか。People誌が財産問題に詳しい弁護士ジェフリー・P・スコット氏に訊いたところによると、相続する順位は法律によって定められており、配偶者と子供が1位だという。しかし、プリンスにはそのどちらもいなかったため、ミネソタ州法下では、ティカと5人の異母きょうだいに相続資格が与えられる。相続人は、今後発生するレコードの売り上げと著作権料を受け取る権利も継承することになる。
遺産額が莫大であるため、相続税も非常に高額になるが、遺産を全て慈善事業に寄付した場合は免除されるとスコット氏は指摘する。
また、プリンスは「エホバの証人」の信者だったが、宗教団体には相続する権利はあるのだろうか。答えはNOだ。遺言書で指名されていない限り、組織は受益者とはなり得ないという。
スコット氏は、「この遺産相続が平和裏に終わるとは思えません」と語る。「莫大な資産を手にすると、人は必ず争います。大金が絡んでくるからです。もし裁判所への異議申し立てや訴訟が起こらなかったとすれば、驚くしかありませんね」。
6人のきょうだいによる遺産相続争いの火ぶたが今、切って落とされた。