Samantha Gallagher/Facebook
すでに多くの学校では夏休みが終わり、通常の学校生活が戻ってきていることだろう。
小学校低学年の子どもを持つ親にとって、宿題の監督はなかなかの重労働だ。1日中授業を受けて疲れた子どもに「宿題をやりなさい!」と声をかけ、机に向かわせ、終われば抜けている箇所がないかを点検する。「宿題」は子どもにも親にも荷が重いものであるということは世界共通の認識であるようだ。
そんな常識に一石を投じたのが、米テキサス州のゴッドレイ小学校で2年生を教えるブランディ・ヤング先生だ。彼女は年度の頭に「Meet the Teacher Night(教師とのゆうべ)」と題した集会を開き、保護者に向けて宿題に関する方針を説明した。
配布された「宿題に関する新方針」というプリントは、多くの親にとって目から鱗が落ちるものだった。
「保護者の皆様。今夏、多くの調査を行い、新しい試みを導入することにしました。宿題は、生徒が授業中にやり残したことが主となっています。今年は、宿題を出しません。調査の結果、宿題が生徒の成績を上げるという成果は得られませんでした。それよりも、私は皆さんに、帰宅後の時間を以下のように使うことこそが、生徒たちの成功と相関するということを証明していただきたいのです。家族で食事をしてください。一緒に本を読んで下さい。外で遊んで下さい。そして、子どもたちを早く寝かせて下さい」
この方針に感銘を受けた保護者の1人であるサマンサ・ギャラガーが8月17日、プリントを写真に撮ってFacebookに投稿すると、世界中から驚きと共感の声が寄せられ、24日までに7万回以上もシェアされている。彼女の娘ブルックは早くもヤング先生が大好きになったという。帰宅するとブルックはとてもくつろいだ様子で、子どもらしい姿を見せるようになった。外で遊び、新しい友達をつくり、家族で過ごす時間も増えたとギャラガーはコメントで明かしている。
ヤング先生はCBS Newsの取材に対し、この方針を定めた理由について語った。
「生徒たちは1日中一生懸命勉強します。家に帰れば、家でしか学べないことがあるはずです。私は、子どもたちを1人の人間として成長させたいのです。家に帰ってまで、鉛筆と紙を与えるのは有益ではありません」
彼女の施策は同地区でも評判となり、追随する先生も現れ始めているという。