先月15日、米マサチューセッツ州ケープコッドの海岸で、ボディボードに乗っていたアーサー・メディチ(26)という青年がサメに襲われて死亡した。彼はこの日、ビーチで恋人にプロポーズをする予定だったことがわかった。
「彼は恋人のエミリーのために、故郷ブラジルで特注のリングを作っていたんです。ビーチでプロポーズする予定だったんですよ」と地元紙「The Boston Globe」に語るのは、メディチの友人で、恋人の兄アイザック・ロシャ。
メディチがサメに襲われた現場からわずか数メートルの場所にいたというロシャは、悲劇の様子をこう振り返る。
「悲鳴が聞こえたので彼の方を見ると、おびただしい血が流れていて、彼が叫んでいました。僕は彼を35ヤード(約32メートル)くらい引っ張って岸へと連れて行きました。ボディボードのストラップを脚に巻きつけて出血を止めようとしたのですが、噛まれた傷がひどくて……」
メディチは心肺蘇生を受け、病院に運ばれたが死亡が確認された。恋人の突然の死に、妹のエミリーは打ちのめされているという。
「2人は結婚や将来のことについて真剣に話し合っていました。僕らは本当に彼のことが好きでしたよ」
マサチューセッツ州でのサメによる致命的な事故が起こるのはおよそ80年ぶり。地元住民は震撼している。
遺族と友人はクラウドファンディングサイトGo Fund Meで葬儀費用2万5千ドルの寄付を呼びかけた。結果、2万9千ドルの善意が寄せられ、リオデジャネイロまでの遺体の搬送や傷の修復などを含めた葬儀にかかる費用をまかなうことができたという。