中国人のフードブロガーがTikTokで公開した動画が波紋を呼んでいる。
FORTUNEなどによると、数百万人ものフォロワーを持つハンドルネーム「Tizi」は中国版TikTok「Douyin(抖音)」で活躍するインフルエンサーだという。ショッピングサイト「Taobao(淘宝)」で購入した体長2メートルのホホジロザメを調理して食べる様子を撮影し、Douyinでその動画を公開した。
サメの半身はスープと大量の唐辛子を満たした大きな中華鍋に投入し煮込み料理に。もう半分は粉末の唐辛子を大量にかけて炭火であぶり焼きにした。Tiziはあぶり焼きにかぶりついてサメを食いちぎり「サメって凶暴に見えるけど、肉はやわらかくてとってもおいしい!」と口の周りを真っ赤にして大いにはしゃいで見せた。
この動画には「無知」「無教養」「野蛮」などといった批判が殺到し、中国当局も捜査に乗り出した。ホホジロザメは乱獲によって生息数が激減し、レッドリストの「絶滅危惧II類」に分類されている。
当局はホホジロザメを法的に保護するべき絶滅危惧種として指定しており、保護動物の捕獲、輸送、売買、また食べることを法律で禁じていて、違反者には最高で10年の禁固刑が言い渡される。
彼女が食べ残した魚の組織をDNA検査したところ、ホホジロザメだったことが確定し、Tiziは12万5千元(約240万円)の罰金刑に処された。さらに、捕獲や売買に関わった業者も逮捕されたという。