英ロンドンの高級住宅街チェルシーで、500万ポンド(約9億円)の豪邸に住む隣人に執拗な嫌がらせを繰り返していた81歳の女が複数の罪で有罪判決を受けた。Daily Mailが報じている。
被害を受けたのは、調香師のアナスタシア・ド・ブラウウェレ・ブロズラーさん(57)とその夫で弁護士のアランさん(60)。夫妻は数カ月前から、自宅地下へ続く外階段付近に充満する悪臭に悩まされていたという。アナスタシアさんは仕事道具であるフレグランスオイルが汚染されることを何よりも懸念していたそうだ。
夫妻から調査を依頼された専門家は、隣に住むジャニーン・マッキンレイ被告(81)が1日に3回、プラスチックの水差しから階段の手すりに液体を撒いている様子が防犯カメラに映っていることを確認。その液体が、マッキンレイ被告自身の尿だったことを突き止めた。
夫妻がマッキンレイ被告を問いただすと、「地獄に落ちろ」「自分の国へ帰れ」などと暴言を吐かれたという。アナスタシアさんはオーストリア生まれ、アランさんはオランダ生まれだ。
「私の鼻は訓練されています。自宅で働く調香師で、私が外国人であり、それが隣人にとって大問題であることもわかっています。彼女は私にものすごく腹を立てていて、私や子どもたちにひどい言葉を投げかけていました」と、アナスタシアさんは被告人との関係を法廷で語った。
悪臭被害に関しては「ドアを開けるたびに刺激臭が家の中に入ってきて、窓も開けられませんでした。換気扇からも臭いが吸い込まれてくるのです。本当に嫌なものでした。アロマキャンドルをあちこちに置かなければなりませんでしたし、仕事で水が必要なのにキッチンも使えませんでした」と述懐する。
息子と娘に付き添われて出廷したマッキンレイ被告は、尿を外に撒いたことについては否定しなかったという。しかし、関節炎で階段を上ってトイレに行くことができないため、やむを得ず尿を外に捨てていたと主張。「悪意はなかったし、他の人の財産を傷つけたこともありません。淑女らしくないということは理解しています」と証言したそうだ。
判事は「この行動は、隣に住む人々をひどく苦しめてきた」として、マッキンレイ被告に嫌がらせの罪で有罪判決を下した。また、マッキンレイは被害者の所有物に犯罪的な損害を与えた罪でも有罪となり、修繕費用の支払いと、12カ月の夫妻への接近禁止も言い渡された。