米国時間10日夜に行われた第96回アカデミー賞授賞式。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニーJr.と主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの壇上での振る舞いが「アジア人差別では」と注目を集めている。
例年は、前回の受賞者1人がプレゼンターとして受賞者にオスカー像を手渡すが、今年は歴代の受賞者5人が登壇。主演女優賞の発表の際は、昨年のミシェル・ヨーを筆頭にサリー・フィールド、シャーリーズ・セロン、ジェシカ・ラング、ジェニファー・ローレンスが登場した。
ヨーがエマ・ストーンの名前を発表すると、ストーンは背中のファスナーが壊れてしまったことを気にしながら舞台に登り、「ねえ見て」と言わんばかりに親友のローレンスに背中を向けて照れ笑い。
その直後にミシェル・ヨーがオスカーを手渡したが、ストーンは像をローレンスに一度持たせ、彼女から受け取るような仕草を見せた。これがXなどで「アジア人のヨーではなく、白人であるローレンスから像をもらいたかったのだろう」という憶測を広げる原因となった。
その数十分前に助演男優賞を受賞したロバート・ダウニーJr.も、昨年の受賞者キー・ホイ・クァンと目を合わせることなく像を片手で受け取り、握手やハグで喜びを分かち合うこともせず素通り。並んでいたティム・ロビンスの元へ直行した。その姿にも「まるでウェイターからドリンクをもらうようだった」と、X上に“人種差別では?”という声が広がったのだ。
ヨーは翌日にInstagramを更新。議論を引き起こしたオスカー像贈呈の瞬間について振り返った。
「おめでとうエマ! 混乱させてしまったけど、オスカーを手渡すという素晴らしい瞬間を、あなたの親友であるジェニファーと分かち合いたかったの!!彼女は私の大親友、ジェイミー・リー・カーティスを彷彿とさせたわ。いつもお互いのために!!」
ヨーが自ら像を持ってローレンスの元へと導き、彼女と一緒にストーンへ手渡したというのが真相のようだ。しかし、コメント欄には、
《ストーンは無礼だったよ》
《人種差別が根底にあるマイクロアグレッション(無意識に他者を傷つける行為)だ》
といった声が絶えず、いまも騒動が続いている。