インド南部タミルナードゥ州で、違法に作られた酒を飲んだ人たちが次々と命を落としている。
ロイター通信によると、アルコールの一種で毒性の強いメタノールを原料として密造された酒を飲んだ150人以上が下痢や嘔吐、腹痛で病院に運ばれ、21日までに47人が死亡したという。
こういった密造酒は「フーチ」「カントリーリカー」と呼ばれ、正規のアルコール飲料が買えない人たちが手を出し、これまでに何度もインド国内で死亡事故を起こしている。
当局は違法な酒類の販売容疑で4人を逮捕し、200リットルの密造酒を押収したと、The Straits Timesは伝えている。
化石燃料などから製造されるメタノールはメチルアルコールとも呼ばれ、溶媒や燃料といった工業用途で使われる。日本でも戦前から戦後にかけて、メタノールでかさ増しされた粗悪な密造酒が出回り、失明する人が続出したことがある。