「韓国は世界有数の学歴社会として知られています。近年、学歴偏重を問題視する声が高まってきましたが、まだまだ出身大学によって就職や将来の保障が大きく左右されてしまう、というのが実情です」 と話すのは、ソウルの予備校『新村スカイエデュ』副院長のオン・ジャンウォン先生。 日本と同様、受験シーズンのピークを迎えた韓国。今週は、STAR9人の知られざる “受験秘話”をご紹介! まずは新作ドラマ『友~語り尽くせない話~』(MBC)を撮影中のヒョンビン(26)。「彼は中学時代から俳優になることを目標としていましたが、両親には猛反対されていました」(韓国・女性誌記者) 高校入学後も、進路を巡って両親との対立が続いたというヒョンビン。俳優になることを認める代わりに、両親から突きつけられた“条件”が、大学への進学だったという。「しかも、父親から《やると決めたら半端は許さない》と、演技の名門校として有名な『中央大学』演劇映画科への進学を義務づけられたのです。 彼自身、《人生であれほど長くペンを持ち続け、熱心に勉強したことはない》と受験勉強に明け暮れた時代を振り返っています」(前出・記者) 努力が実り、結果は見事合格。現在は多忙のため休学中だが、《何年かけても必ず卒業証書を手にしたい。いつか子どもが生まれたとき、親の学歴欄には“大学卒”と書きたいからね》と周囲に意気込みを語っているという。「韓国では、小学生のころから塾を掛け持ちし、夜遅くまで勉強に励む子どもも少なくありません。進学希望の高校生の場合、登校前の時間を利用して、予備校の早朝講義を受ける生徒もいるほどです」 と前出のオン先生が話すように、受験生の生活はかなりのハードスケジュールだ。 新作映画『悲しみよりもっと悲しい物語』に続き、ドラマ『シンデレラ・マン』(MBC)への出演も決定したクォン・サンウ(32)は、『漢南大学』美術教育学部の出身。 難関の美大に合格するため、《高校3年間は無欠席で勉強に励み、毎日、夜11時までアトリエにこもって絵を描き続けていた》そうだ。『漢陽大学』機械工学科を卒業し、現在は『上命大学大学院』演劇学科で学ぶカン・ドンウォン(28)も、受験生時代の苦労を語っている。《高校入試では満点に近い数字を取りましたが、在学中にドンドン成績が下がり、気づくと下から3番目に……。 両親に『この成績では大学は無理だ。私たちは、お前にそんな“夢”は託していない』と優しく諭され、とても情けない思いをしました(笑)》 そこで一念発起した彼。《受験までの数カ月は寝る間も惜しんで、人が変わったように勉強をしましたね。その結果、成績上位で志望校に合格することができたんです》 イ・ヨンエ(38)も、《大学入学時は、牛乳瓶の底のような度の強いメガネをかけていたほど、一生懸命勉強をしました》と語っている。 ちなみに彼女は『漢陽大学』ドイツ文学科に成績上位で合格。その後、『ソウル芸術総合短大』でも学んだ勉強家だ。 ドラマ『』で'08年のSBS演技大賞を受賞、今年1月、極秘来日が報じられたばかりのイ・ジュンギ(26)も、ヨンエを輩出した『ソウル芸術総合短大』の出身。「彼は高校3年のときに俳優になることを決め、小遣い30万ウォン(約2万円)を持ってソウルにやって来ました。 ソウルでは1日10時間以上アルバイトをしながら勉強を続けたそうです。そのバイト代で大学の入学金もまかなったようですね」(前出・記者) STARのほとんどが大卒以上の学歴を持つのは、「純粋に学問を究めるという理由はもちろん、韓国の場合、《学歴が個人的な信頼にがる》と考える人が多いからでしょう」(韓国紙記者) 高学歴STARのなかでも、最難関の『ソウル大学』出身女優として一目置かれるのがキム・テヒ(28)だ。「高校時代は常に成績上位だった彼女も、最高峰のソウル大に合格するためには相当量の受験勉強をしていたようです」(前出・女性誌記者) また、ドラマ『』(KBS)などでお馴染みのハ・ジウォン(29)のように、《大学受験では3校の演劇科に合格しましたが、『檀国大学』に進学しました》という秀才も珍しくない。いっぽう、《3大学の演劇科すべての受験に失敗しました(笑)》と話すチャ・テヒョン(32)のように、受験でほろ苦い思いをしたSTARもいる。「その後、彼は浪人して『ソウル芸術短大』の演劇科に合格したのですが、浪人中の彼を励まし続けたのが、高校時代の同級生だった、いまの奥様なんですよ」(前出・記者) チャン・ドンゴン(36)も大学受験に3度失敗。《両親に、それ以上予備校の授業料を工面してもらうのが恥ずかしかった》という理由でCMモデルのバイト生活に突入した彼。“学費稼ぎ”のバイトのつもりが、そのまま俳優デビューしてしまった経歴を持つ。 しかし'94年、彼はすべての芸能活動を休止。難関の『韓国芸術総合学校(大学)』の演劇科に進学した。結局、3年で中退したが、受験という生涯の“ビッグイベント”を乗り越えたことが、その後の自信にも繋がったようだ。 前出のオン先生が話す。「日本のセンター試験に当たる『大学修能試験』当日は、交通の混乱を避けるため、大手企業や小・中学校の始業を遅らせます。また、遅刻しそうな受験生をパトカーで会場に送り届けたり、国全体で受験生のサポートをします。 母親たちは試験の100日前から教会やお寺に通い、当日は校門の前で祈ります。まさに、韓国の受験は“国家行事”といってもよいでしょう」 真冬の“風物詩”ともいえるそんな光景に、STARはかつての自分の姿を重ねていることだろう。