日本活動開始した「神話」のキム・ドンワンに特別インタビュー

K-POPグループの原点「神話(シンファ、SHINHWA)」。そのメンバーであるキム・ドンワンが、感情豊かなボーカルと流暢な日本語で日本活動を開始。誠実で明るい人柄が伝わる、日本語ですべて行われたインタビューをお届けします。

新曲は「ファンのみなさん、彼氏がいても結婚していても、戻ってきてください」という歌なんです

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――召集解除から1週間経ちましたが、その間、どのように過ごされていたんですか?
キム・ドンワン「う~ん、仕事してばっかりいますね」

――急に忙しい生活に戻った感じですか?
キム・ドンワン「あー、でも、待っていました、こんな生活を。ずっと仕事がしたくて……」

――公益勤務について、日本のファンはどんなことをやるのかあまりよく知らないと思うのですが、どんな生活を過ごしていましたか?
キム・ドンワン「燃えるゴミと燃えないゴミの管理とか、机の掃除とか、いろいろなことがありますが、僕に任されたいちばん大事な仕事は、週末にイベントがあるときに写真を撮ることです。それに、兵士の方々が荷物を持って行ったり来たりするときのお使いとかしていました(笑)」

――そういう日常、ふつうにやるようなことは、神話時代はあまりやってなかった経験ですよね?
キム・ドンワン「そうですね。ま、やったことはありますけど、朝早くから起きて仕事をするというのは、高校の後はぜんぜんなかったので、僕自身は気に入っていました。健康にいいから(笑)」

――健康にいいから(笑)。健康好き?
キム・ドンワン「はい、ハハハハ」

――公益勤務で得たものは、これから歌手として、俳優として、また一人の人間としての生き方にどのような影響を与えると思いますか?
キム・ドンワン「僕は20歳から10年間、仕事ばかりしていましたね。そして、休みの意味を忘れちゃって。仕事とか、休みの日にはお酒を飲むとか女の人に会うとか、それ以外は興味がなかったので(笑)、“自分の人生のために何もしなかったなあ”と思ったんですね。なので、公益勤務をしながら休みの意味を知りました。休みのときは、一人で過ごすことや旅行、また、お酒を飲まないで友だちと話すことが大事だと思って、やっぱりこれからはお酒を飲まないで(笑)、女の人とか友だちと会って、いろんなことについて話しながら、人生を楽しむつもりです」
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――お仕事についておうかがいしますね。日本でベストアルバムが発売されましたが、いま、どのような心境ですか?
キム・ドンワン「新しい曲は1曲しかありませんし、もう1曲は無料でオープンした曲だし。なので、つまらないものですが聴いていただけるとありがたいです(爆笑)」

――そんなぁー! ベスト盤ですから、新曲が少なくてもいいんですよ(笑)。
キム・ドンワン「でも、昔の曲だから、3年前の」

――ドンワンさんの声の魅力とか、すごくよく伝わる選曲だと思いました。どんな基準で選んだのですか?
キム・ドンワン「ベストアルバムに入っている曲は、覚えやすく、聴きやすい曲を選びました」

――ドンワンさんは日本語がすごくお上手なんですけど、何か日本語で歌うことの難しさというのはありますか?
キム・ドンワン「歌うことは難しくないんですが、海外に行くとコンディションが悪くなって、体調が悪くなって大変なんです。でも、日本語で大変なことはありませんね、僕の歌はあまり難しい表現がないじゃないですか」

――いや、そんなことはないです。では、自分で『君がいるべき場所feat.K』を作詞なさって、書くことの難しさはありましたか?
キム・ドンワン「あ、もちろんです。やっぱり、知らない単語がたくさんあるし、同じアジアでも日本と韓国では表現の仕方がぜんぜん違うんです。日本語は表現が難しいですね。たとえば、“しなければならない”と初めて聞くと、どうしてそんなに長い言葉を使うのかな? って。韓国語では“しなければならない”とは言わないです。韓国語でしたら『イゴハジ アヌミョン アンドゥエ』じゃなく『イゴ ヘヤデ』と言います、簡単に。ちょっと命令形になりますが。日本語は優しい言葉がたくさんあるんですね、でも、その言葉の意味は強いし、それがちょっと難しくて」

――先に韓国語で考えてから日本語に訳しているんですか?
キム・ドンワン「はい。でも、サビの部分は、最初から日本語で考えました。なぜなら、ライムが大事だから。でも、聴くとちょっと恥ずかしいです、歌詞の意味が……。“君を知って、君に会って、君感じて、生きてきた……”ちょっと恥ずかしい、アハハ(笑)。サビ以外の部分は、最初は韓国語で作詞して、日本語に訳しました」

――歌詞を読むと、一度別れた恋人が自分のところに戻ってきたんだけど、まだ距離がある、という微妙な関係を書かれていますよね。ドンワンさんはこのようなご経験はありますか?
キム・ドンワン「このような経験はないですけど、この意味は、公益勤務で僕とファンのみなさんは別れてしまったじゃないですか。結婚しているファンのみなさんもいるし、彼氏がいるファンのみなさんもいて、指輪をしていてもかまわないので戻ってきてください! という意味があるんです

―なるほど、ファンのみなさんに対しての意味なんですね。
キム・ドンワン「不純じゃない?  不倫じゃないです」

――(笑)。韓国のドンワンさんのブログがとても面白くて、社会のことなども真剣に考えられていて、ドンワンさんは物事を深く考える方なんだなと思ったんですね。ドンワンさんご自身は、自分のことをどんな性格だと思っていますか?
キム・ドンワン「“世話好き”だと思いましたが、会社からは“世話焼き”だと言われました。意味がどう違うのかわからないけど……違いはないですね? あ、僕は政治的な話はしないんです。どうしてかというとよく知らないから」

――演技のことについてうかがうと、ドンワンさんは普通の男の人を演じるのが上手だなと思って見ているんです。
キム・ドンワン「僕もそう思います」

TVカメラが入っているため、ここでスタッフが水のペットボトルをよけようとすると、ドンワンさんが「僕のもの」と笑って抱え込みました(とてもキュート!)
キム・ドンワン「日本に来ると魚になりますね。水が・・・喉がいつも乾いて」
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――これからはどんな役をやってみたいですか?
キム・ドンワン「韓国で俳優として認められるのが大事だと思うんですが、韓国で、日本の堤真一さんとか、小林薫さんのような俳優になるのが目標です」

――ドラマ『愛する人よ』は、悪役というか、イヤな人ではないけど悪い人の役でしたよね。
キム・ドンワン「悪役はあんまり好きじゃないんですが、『愛する人よ』の悪役は、ふつうの悪役ではなくて、かわいそうな悪役でちょっとしてみました。あんまり似合わなくて、ちょっと難しかったんですけど、良い経験だったと思います」

――ソクジュという男の人が、こうせざるをえない気持ちというのがドンワンさんの演技からよく伝わってきて、とてもいい演技だったと思いました。
キム・ドンワン「そうですか、よかった。でも、『愛する人よ』のとき、お年寄りの先輩から注意されたことは、“悪役は悪役らしくするのがいい”。そう言われましたが、そう言われたようにできなくて、ちょっと残念だと思いました」

――そのソクジュのような役より、『悲しみよ、さようなら』で演じたジョンウのような役ほうがやりやすいですか?
キム・ドンワン「僕はやりやすいんですけど、俳優だったら役は選んじゃダメだと思います」

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――日本各地に旅行されていると聞きましたが、気に入った場所とか楽しかったエピソードや好きな食べ物とか教えていただけますか?
キム・ドンワン「好きな食べ物は、箱根で食べたちらし寿司です。とても美味しかったんです。好きな場所は遠野。岩手県の。“カッパ淵”という所があって、有名で。自転車に乗って過ごしましたが、静かで景色もよかったです。カッパの定食も美味しかったんです(笑)」

――それはどんな・・・??
キム・ドンワン「魚とキュウリが出てくる(笑)。おばあさんが作ってくれるんですけど」

――遠野に行こうと思った理由はなんだったんですか?
キム・ドンワン「僕は・・・アニメなんですけど、知ってますか?『河童のクゥと夏休み』を見て泣いてしまって、カッパの故郷に行きたい! と思って行ってきました」

編集部注:河童伝説の残る遠野市(岩手県)を主な舞台に、河童と少年の友情や家族愛などを描いた長編アニメ映画「河童(かっぱ)のクゥと夏休み」(原恵一監督・脚本)

――最後に、これからファンイベントもたくさん予定されていますが、日本のファンにメッセージをお願いします。
キム・ドンワン「お久しぶりです、キム・ドンワンです。あの、2年間、忘れないで待ってくれて、ありがとうございます。これからは韓国でも日本でも一生懸命に活動しようと思いますから、ずっと応援してください。よろしくお願いします」

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*****
キム・ドンワンさんにお会いして思ったことは、さすがに長年韓国芸能界でTOPにいる人は違う! ということでした。人間の幅の広さとお茶目な魅力、独特の視点、正直さ。しかもそれを母国語でない日本語で伝えられるのはすごすぎます。その場を和やかな雰囲気にしながら、時々意表をついた率直な発言を巧みな日本語でしてくれるので、とても楽しいインタビューでした。

私は後日、池袋サンシャインシティ噴水広場で行われたイベントにも行ったのですが、そのステージでも魅力全開でした。吹き抜けになっている4階まで、神話の応援カラーであるオレンジの風船を持ったファンでぎっしり埋まった会場に、「こんにちは。韓国から来た“世話焼き”のドンワンでーす。4階のみなさん、こんにちはー、こんにちは!」とドンワンさんが登場。
ドンワンさんは日本語で、MCさんの質問に答えるというよりも、一人でどんどんしゃべっちゃうかんじ?(笑)。それがかえって妙に可笑しいのでした。
ドンワンさんの最近気に入っている日本語は
キム・ドンワン「あー、昼間は”無礼講です”とか言っていたんですけど、 今は”一文無し”です」
(爆笑)
MC「それはまた何故なんですか??」
キム・ドンワン「え?・・・一文無しですから」
・・・面白すぎる!(笑)
生で聴いた「君がいるべき場所feat.K」も素晴らしかったです。
あのソフトで表情豊かな声が存分に出ていて、ドンワンさんは「こんな実力で作詞までしてしまって、申し訳ございません(笑)」と言っていましたが、自分で作った詞の感情も素晴らしく表現されていました。そして、歌う時に周囲4面全部、順番に向いて歌っていたのはさすがでした。
そのあとの握手会では、待っている間にドンワンさんがファンに向かってマイクで 「あの、笑わなくて握手だけでいいですか? 顔の筋肉がひきつってきて・・・。無表情で握手します(笑)」などと話しかけて笑わせたりして、ファンを大事にするドンワンさんらしいな、と思いました。

2010年12月、日本各地でファンに挨拶したドンワンさん。
2011年、ドンワンさんが俳優として歌手として韓国でも日本でも活躍し、また日本で会えることをファンのみなさんと一緒に楽しみにしています。そしてそして、神話の再結成も願ってやみません!

撮影/横山孝行

[PROFILE]

キム・ドンワン。Kim Dongwan。1979年11月21日生まれ。O型。1998年に神話のメンバーとしてデビュー。神話として2006年には東京・大阪を含むアジアツアーで10万人を動員し、2007年にはさいたまスーパーアリーナ2日間を満員にするなど、日本でも絶大な人気を誇る。韓国でのソロアルバムは1集『Kimdongwan is』、2集『The Secret』、入隊前にシングル『約束』をリリース。演技活動は、2002年KBSドラマ『天国の子供たち』、2004年 映画『まわし蹴り』、2005年MBCドラマ『震える胸』、2005年KBSドラマ 『悲しみよ、さようなら』、 2006年 SBSドラマ『愛する人よ』など。2005年には『悲しみよ、さようなら』でKBS演技大賞新人賞を受賞。また、2000年から2年間続いたラジオ番組『キム・ドンワンのテンテンクラブ』や、2003年から2年間メインMCを務めた人気音楽番組『SBS人気歌謡』など神話の中でもっともマルチな才能を持っている。

日本公式サイト http://www.kimdongwan-jp.com/
日本公式ブログ http://ameblo.jp/koguma1121/

[CD発売情報]

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『KIM DONGWAN  JAPAN PREMIUM BEST(初回限定盤)』¥3,800(税込み)
初回盤にはPV4曲収録のDVD+写真集ブックが付きます。

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『KIM DONGWAN  JAPAN PREMIUM BEST(通常盤)』¥3,000(税込み)
初回プレス分にはトレカが封入されています。トラック16『哀れな愛』は通常盤のみの収録。

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