「私どもの村は上越新幹線の駅から、車で1時間ほどです。このたびは、天皇皇后両陛下においでいただくことになり、本当にありがたいと思っています。村民たちも本当に喜んでいるのです」
そう語るのは、長野県栄村の島田茂樹村長。昨年3月12日、長野県北部にある栄村は震度6強の直下型地震に襲われた。東日本大震災発生の翌日のことだった。一時は約800世帯2千人に避難指示が出され、いまも住居を失った100人以上の被災者が仮設住宅で生活している。天皇陛下と美智子さまは、この7月に栄村をお見舞いされるという。
「7月19日に日帰りで訪問される方向で調整が進んでいるそうです。もともと両陛下は昨年12月に、豪雨の被害にあった新潟県三条市と地震被害にあった長野県栄村を慰問のため訪れられる予定でした。それが11月に天皇陛下が気管支肺炎で入院されたために一度中止されたのです。しかし、両陛下の強いご希望があり、改めて日程が組まれました」(宮内庁担当記者)
関連報道も少なく、東日本大震災の陰で、ともすれば忘れられがちだった栄村のことを、両陛下はずっと気遣っていらしたのだ。栄村の例だけではなく、天皇陛下と美智子さまは”一度計画したことは時間がたっても必ず実現する”という姿勢でいらっしゃるという。前出の宮内庁担当記者はこう話す。
「’06年に両陛下はマレーシアご訪問の際、ペラ州を訪れられました。実はこの15年前の’91年、山火事の煙のために飛行機が飛ばず、ペラ州ご訪問が中止になったことがあったのです。両陛下にとっては、非常に心残りでいらしたそうで、計画を15年ぶりに実現されました。その行動に当時のマレーシア国王は『陛下は15年前の約束でも果たす素晴らしい方だ』と感激したのです。また、栄村お見舞い計画が再び動きだしたことについては、天皇陛下のご体調が回復されつつあることも大きな要因だと思います」
天皇陛下と美智子さまは、”真の復興”に向け、再び歩み始められた——。