11月にかけて続々と行われる即位関連行事。そこで皇室にまつわるお金の話を、皇室ジャーナリストの山下晋司さんに教えてもらいました。
【Q】「皇室費」って、そもそもどこまでをカバーするの?
「皇室関連の予算には『宮内庁費』と『皇室費』があります。宮内庁費はその9割が宮内庁職員の人件費に充てられます。皇室費は、『内廷費』『皇族費』『宮廷費』に分類されます」(山下さん)
皇室の方々の日々の生活やご公務にかかる費用などは、皇室費で賄われているという。
「内廷費とは、内廷(天皇ご一家と上皇上皇后両陛下の5方)の私費であり、詳細は明らかにはされていません。内廷費の約3分の1は宮中祭祀に関わる掌典職などの人件費に充てられます。政教分離の原則から、宮中祭祀に関わることはすべて『天皇家の私事』になっているため、私費から支払われるのです。衣服などの日常生活にかかる費用、寄付金やお見舞金、ご研究費、愛子内親王殿下の教育費なども内廷費から支払われます」(前出・山下さん)
「皇族費とは、内廷以外の宮家皇族が“皇族としての品位を保持するため”に支払われるもの。3,050万円という定額を基準に、皇室経済法によって、それぞれのお立場で金額が定められています。各宮家で皇族のお世話をする宮内庁職員はその宮家の皇族の数によって違いはありますが、多いところで10人程度です。皇嗣職が新設される前の秋篠宮家は特別で、20名ほどでした。公務員だけでは人手が足りない場合、皇族費で私的に雇うことになります」(前出・山下さん)
同じ皇族でも、お立場によって費用の負担の度合いも大きく変わる。たとえば御料牧場の食材は、内廷には無償で届けられるが、宮家ではその余剰分を購入する。
「宮廷費は晩餐会、地方行幸啓、外国ご訪問など公的ご活動や施設の維持管理などに使われます。外国ご訪問の際にお召しになる服も宮廷費で賄われることがあります」(前出・山下さん)
皇室予算における公費、私費の線引きは難しいのが現実のようだ。
『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」より
『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」
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発行:光文社
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