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東日本大震災から9年が経った。

 

痛ましい記憶を風化させないことが課題となるなかで、皇室は被災者の心に寄り添い続けている。雅子さまも、天皇陛下とご一緒に、被災者のもとを繰り返し訪問されてきた。

 

2017年11月には、東日本大震で甚大な津波被害に見舞われた宮城県・閖上地区へ。復興公営住宅「名取市閖上中央第一団地」の被災者と懇談された際には、一人ひとり丁寧にお声がけされたために、15分の予定が25分と大幅に延びてしまった。

 

その後、団地から車で2分の東日本大震災慰霊碑に供花する際には、あるサプライズが。

 

団地では動きやすいパンツスーツだった雅子さまが、慰霊碑の前に立たれた際にはお帽子をかぶり、スカート姿に着替えられていたのだ。

 

そこには、限られた時間の中でも場にふさわしい装いを、という最大限の心遣いが表れていた。

 

翌年の歌会始で、雅子さまは《あたらしき住まひに入りて閖上の人ら語れる希望のうれし》とこのときの喜びを詠んだ歌を披露された。この歌を刻まれた歌碑が、昨年3月に閖上地区の「震災メモリアル公園」に建立されている。

 

「雅子さまは、過去の誕生日の際のご回答でも、折に触れて繰り返し《被災地に永く心を寄せていきたい》と東日本大震災の被災者を思いやられてきました。皇后となられても、そのお気持ちは変わっていません」(皇室担当記者)

 

昨年12月、皇后として迎えられた初めての誕生日に際しても、

 

《東日本大震災で被災した釜石市でこの大会の試合が行われたことも喜ばしいことでした》

 

と岩手県・釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたラグビーワールドカップの試合を振り返られた。

 

時が経っても忘れない――。雅子さまの愛のメッセージが、被災者の心を照らし続ける。

 

「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載

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