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天皇皇后両陛下は7月6日、九州の大雨による被災者にお見舞いの気持ちを表された。

 

宮内庁によると両陛下は大雨により多くの人が犠牲になり、いまだに安否のわからない人がいることにたいへん心を痛めていらっしゃるという。

 

新型コロナの感染拡大が国民的な危機となっている一方で、国民の声を直接聞く機会を作ることは難しく、天皇皇后両陛下にとっても、もどかしい日々が続く。

 

そんな中、両陛下の“側近”が一新される人事が発表された。天皇家の相談役とされる宮内庁参与が、6月18日付で交代となったのだ。

 

上皇ご夫妻の御代から参与を務めてきた4人は退任し、兵庫県立大学理事長の五百旗頭真氏、元宮内庁長官の風岡典之氏、前最高裁判所長官の寺田逸郎氏が就任した。宮内庁参与とはどのような役割を担う存在なのだろうか。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんに聞いた。

 

「参与は天皇の個人的な相談相手という位置づけになります。上皇陛下が退位について参与に相談されたという報道もありましたが、そのように天皇が方針や意向を決める前の段階で、まだ胸の内にあるような事柄を参与に相談されることが多いと思われます」

 

つまり、宮内庁参与は天皇家の意思決定をサポートする、重要な立場にあるのだ。参与の選任について前出の宮内庁関係者に聞くと、

 

「宮内庁長官や侍従長は国家公務員であり、人事権は内閣が持っています。天皇陛下はその人事について希望を言うことはできません。一方で、私的なアドバイザーである宮内庁参与は、内閣の関与を受けることなく、天皇陛下が唯一、最終決定権を持っている人事なのです。候補者は宮内庁がリストアップし、最終的には天皇陛下の了解があって初めて決まります。平成以降は皇后陛下もこの人事に関わるようになったといわれていますので、雅子さまのご意見も人選に反映されているはずです」

 

宮内庁参与の交代は、今後の皇室にどのような変化をもたらすのだろうか。

 

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