面会室の机上には中満さんの著書『危機の現場に立つ』が置かれていた。両陛下は面会に先立ってお読みになっていたのだ。

 

「両陛下は本当にご誠実なお人柄であると感じました。天皇陛下からはかなり専門的な化学兵器についてのご質問もありました。私の本も興味を持ってお読みいただいたようですし、軍縮についてもすでにさまざまな知識をお持ちのようでした」

 

また、雅子さまと中満さんは同じ’63年生まれ。中満さんの2人の娘も愛子さまと同世代だ。そういった共通点もあり、教育の大切さについても意気投合したようだ。

 

「若い人たちに積極的に平和の問題に目を向け、海外でどのような課題があるのかということに関心を持ってもらうためには、教育がいちばん重要なのではないかとお話しさせていただきました。その流れで、愛子さまが中学生のときに広島へ修学旅行に行かれて、原爆資料館で感じたことを卒業文集に書かれたというお話もお聞きしました。

 

天皇ご一家は、常日ごろからご家族で『平和』についてよく考えられたり、学ばれたり、お話しされているのだろう、と感じました。私たちは戦争を体験していない世代です。だからこそ、この平和を守っていくために何をすべきなのか。雅子さまは皇后陛下というたいへんなお立場で、それを誠実に真剣に探られているのだと思います」

 

さらに中満さんは“コロナ禍と闘いながらの平和希求”についても両陛下に語った。

 

「コロナ危機に関しても、ある意味でこれを“機会”として、これまで私たちの社会・世界にあったさまざまな問題点を見直し、よりよい世界に変革していくように心がけたい、一人も取り残さないような社会・世界にするべく努力したいと申し上げました。すると陛下と雅子さまは何度も大きくうなずかれておられました」

 

「女性自身」2020年9月1日号 掲載

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