自民党内の保守系グループからは「女性・女系天皇を認める布石になる」との声が上がるなど、女性宮家に否定的な意見が根強い。しかし君塚さんは、欧州王室では公務の分担だけでなく王位継承についても男女の性差は問われないと語る。
「英国王室では男女関係なく公務を担っていますが、王位継承についても同様に、男女の性差は問われません。エリザベス女王ほど尊敬されている人は英国にはいません。王ではなく女王だから軽んじられているのかというと、そんなことはまったくありません。それは女王として立派に王室を率い、国民に対する義務を果たしているからにほかなりません。
ベルギーの王位継承順位1位のエリザベート王女(18)は、去年には王立士官学校でライフルの射撃訓練などに参加しました。これは男女関係なく行われるベルギー王室の伝統で、次期女王となるための義務といえるでしょう。スペインの王位継承順位1位のレオノール王女(15)は、14歳で『アストゥリアス皇太子賞』の授賞式でスピーチをこなし、国民からも高く評価されました。ほかにもオランダのカタリナ・アマリア王女(17)、ノルウェーのイングリッド・アレクサンドラ王女(16)と、ヨーロッパは女王の時代を迎えます。
日本の皇室でも大正時代から側室制度は廃止されており、一夫一婦制で男系男子のみによる継承は成り立たなくなっています。それならば、ヨーロッパの多くの王室のように男女問わず第一子が継承すること、つまり愛子さまが天皇になることは自然なことです」
各メディアの世論調査では、女性天皇容認への賛成は8割前後となっている。菅政権は皇位継承問題に関する有識者会議を発足させる予定だが、新型コロナウイルスへの対応に追われるなかで見通しは立っていない。
今年12月には愛子さまも20歳を迎えられ、これから数年の間に結婚され、皇籍を離脱される可能性もある。菅政権には、皇族数の減少、そして皇位継承問題について一刻も早く取り組むことが求められている。