■自民党にも女性天皇容認派が
現在、皇位継承者は秋篠宮さまと悠仁さま、そして現在85歳の常陸宮さまの3人だけ。事実上、悠仁さまに男性のお子さまが生まれなければ皇室は途絶えてしまうという、極めて危機的な状況にある。
女性皇族が結婚後も国家公務員として公務を担えるようにする「皇女」制度は、あくまで公務の担い手を確保するだけで、皇族減少の防止策にはならない。
そもそもこの問題については、御代替わり後に「速やかに」着手することになっていた。2年も先送りにしてきたにもかかわらず、ここにきて菅政権が取りかかることになったのはなぜなのだろうか。
「新型コロナウイルス対策の迷走と東京五輪をめぐるゴタゴタで、菅政権への信頼と期待感は日に日に萎んでいっています。菅首相には、世論の支持を回復することが急務。そこで“愛子天皇実現”への期待感を高めることで、政権の延命につなげようという考えがあるのではないでしょうか」
そう語るのは政治部記者。実は、菅首相は女性天皇容認に賛成を表明していたことがある。’05年9月に朝日新聞が行ったアンケートにそう回答しているのだ。
また、次期首相候補ともいわれる河野太郎行政改革担当大臣は、昨年8月に「女系天皇容認論」を語って話題となった。
「報道各社の世論調査では約8割が女性天皇容認に賛成しています。たしかに自民党内には、男系維持に固執する勢力がありますが、河野大臣だけでなく二階幹事長や石破元幹事長など、女性天皇容認派も少なくありません。男系に固執すれば皇室の存続が危うくなることを、現実主義者の菅首相が理解していないはずがありません。そして、政権の延命という観点からも、一部の保守派より8割の世論を味方につけたいというのが本音でしょう」(前出・政治部記者)