■失われつつある仕える覚悟と緊張感
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう指摘する。
「皇室と宮内庁や皇宮警察との間に築かれていた信頼関係が崩れたのは、眞子さんの結婚に伴う騒動の影響も大きいと思います。
またそれを秋篠宮家が放置してしまったことで、宮内庁職員の敬意や忠誠心が動揺し、組織の“劣化”を加速させてしまった可能性は否めません。
世界中に広がったコロナ禍やウクライナでの戦争の影響で、国民の多くは困難な日常生活を強いられています。元皇族として今も日本政府に守られながら、ニューヨークで自由に暮らす眞子さんの姿には、国民から反発する声が上がるのも無理はありません。それは宮内庁職員にしても同じなのです」
ある宮内庁OBは、宮内庁の“劣化ぶり”をこう嘆いた。
「昨今の宮内庁職員は、『皇室を守る』という気迫に欠けていると思っています。昭和天皇や側近は、敗戦で皇室の存続すら危ぶまれるところまで追い詰められた体験を共有し、常に緊張感がみなぎっていました。
またその当時は、皇室の歴史とともに歩んできた旧華族出身者の側近や官僚出身者でも“宮内庁に骨を埋める”という覚悟を持った職員が多く、数十年も側近として仕える職員もいたほどです。
美智子さまが皇后だったころ、『みなさんには明治の時の人のように、陛下をお守りするという覚悟があるのでしょうか』という苦言を呈されたのを覚えています。
眞子さんの結婚問題もあり、そうした覚悟や緊張感が、宮内庁職員や皇宮警察官からさらに失われてしまったことが、皇室を軽侮する者も現れている現状につながっているのかもしれません」
このまま宮内庁の劣化が進めば、皇室を支える者がいなくなる。そんな将来に、雅子さまは憂悶を募らせていることだろう――。
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