7月8日、天皇皇后両陛下は御所からオンラインで、毎年恒例となっている「こどもの日」にちなむ児童施設訪問を行われた。
今年の視察先は青森県むつ市の認定こども園で、施設の児童やボランティアの学生と交流された。
雅子さまが、「もともと子供と話すことに興味があったのですか?」などと学習支援をしている学生に質問されるなど、ほほ笑ましいシーンが見られたという。
こどもの日にちなんだ訪問は、都内の施設が選ばれることが多かったが、コロナ禍のためにオンライン視察が導入され、地方の子供たちとの交流を増やすことも可能になった。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんはこう語る。
「コロナ禍は、皇室にとってもインターネットの必要性を高めました。オンラインだからこそ可能になった訪問も生まれたわけです。これまで難しかった遠隔地や中山間地域への訪問が可能になり、また同時に複数の場所にいる人々との交流もできるようになって、両陛下も非常に手ごたえを感じておられるようです」
7月に入り、新型コロナウイルスの感染者数が再び増加傾向に転じるなか、まもなく夏休みシーズンが到来する。例年、天皇ご一家も「夏のご静養」として御用邸で穏やかにお休みを取られていたがーー。
「一昨年、昨年と天皇ご一家は御用邸でのご静養を自粛されました。今夏は旅行者が増える見込みが報じられ、侍従職も“そろそろ夏のご静養を再開されては”と、両陛下に那須の御用邸へのご滞在をお勧めしたそうです。
しかし、陛下と雅子さまはその打診に対して、まだお返事されていないそうなのです。
“まだコロナ禍に苦しむ国民がいるにもかかわらず、自分たちが夏休みを取っていいのだろうか”とお考えになり、お返事を保留されていると聞いております。
多くの国民がこの夏、日本中を旅行するような状況になれば、8月末ごろからでも那須でご静養されるかもしれません。しかしそうならない場合、今年も夏休みを返上されるご覚悟なのです」(宮内庁関係者)
常に国民と共にありたいと願う天皇陛下と雅子さまの揺るがないご決意は、ほかの事例からも伝わってくる。6月からたびたび政府が電力需給ひっ迫注意報を発令し、節電が呼びかけられているなか、天皇ご一家は御所でも節電のために奔走されているのだ。
「両陛下は、意識的に居間などの光量を落として過ごされています。またエアコンの設定温度も、政府が推奨する28度にされていると聞いています。さらには、部屋が広いため多くの電力を消費する宮殿よりも、御所での公務を増やされています」(前出・宮内庁関係者)