■皇室に必要とされる“スマートな警護”
天皇陛下と雅子さまは、ご即位以来、“国民の中へ入っていく皇室”を目指されてきた。静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。
「コロナ禍のために、皇室と国民のふれあう場や、国民が皇室を敬愛する機会も減少しています。
もちろん皇室の方々の安全確保は大切ですが、天皇皇后両陛下も警護を強化しすぎるあまり、さらにふれあう機会が減ったり、国民の心が皇室から遠ざかったりすることは避けたいとお考えなのだと思います。国民に威圧感を与えない“スマートな警護”を工夫していく必要があるでしょう」
大幅な警護増強は拒否され、“スマートな警護”を望まれているであろう両陛下。
「西村長官も、警護体制については“大きく変わることはない”という表現を使っています。警察官の大量動員で国民との間に壁や垣根を築くのではなく、身辺警護にたけた皇宮警察の護衛官を増員するなど、目立たないところで警護を強化していく方針なのだと解釈しました」(前出・宮内庁関係者)
7月21日、明治神宮近くで奉迎者たちを魅了した雅子さまの柔らかな笑顔には、“テロの恐怖に負けず、国民の中に入っていく”という悲壮なご覚悟も秘められていたのだ。
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