雅子さまはスカイブルー、紀子さまはサファイアブルー、佳子さまはターコイズブルー……、目に鮮やかなロングドレスをお召しの女性皇族方が、1月13日に宮殿・松の間に並ばれた。
「天皇皇后両陛下をはじめ皇族方が年頭に当たり、さまざまな学問の第一人者から講義を受けられる『講書始の儀』が開かれたのです。皇室の方々が一堂に会する宮中の重要行事ですが、講義内容も専門的で、一般国民からの関心はそれほど高いとは言えません。
いずれ“皇室SNS”が実現し、講義後の皆さまのご感想なども発信されるようになれば、関心も高まっていくのでしょうか……」
そう語るのは皇室担当記者。
元日からメディア各社が立て続けに皇室による情報発信強化の動きについて報じている。
「宮内庁がインターネット上の発信強化を目指し、今年4月に『広報室』を新設します。メンバーは広報室長をふくめて10名ほどになるようです。
現在、皇室の方々のご活動は宮内庁のホームページ(HP)でご日程のみが更新されていますが、国民の理解を深めてもらうため、HPの刷新やSNSの活用も含め、より詳しい情報を発信していくことを検討する方向です」(前出・皇室担当記者)
イギリス、オランダ、デンマーク、ベルギー……、世界の王室の多くはすでにSNSを活用している。ジャーナリストの多賀幹子さんは次のように語る。
「故エリザベス女王は’19年にインスタグラムに自ら投稿し、世界的なニュースとなりました。女王が積極的に王室の活動や国民へのメッセージを発信するようになったきっかけは、ダイアナ元妃の事故死でした。当時の王室の対応に英国民が強い不満を抱き、支持率が急落したのです。その後、公式SNSなども活用し、地道に国民の理解を求め続けた結果、信頼を回復したのです。
キャサリン皇太子妃は3人の子供たちの誕生日に、自分で撮影した写真をインスタグラムで公開しています。とても自然な表情のかわいらしい王子たちの写真を、英国民は楽しみにしています。また昨年7月には宮内庁が、天皇ご一家がそろってご養蚕作業をなさっているお写真を公開して話題を集めました。
そういったこれまでは公表されなかったご家族の写真をSNSで発信していくことも、世界からの日本の皇室への理解につながるのではないでしょうか」
皇室からのSNSによる情報発信について、名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんはこう語る。
「象徴天皇や皇族が政治的な問題に関して自身の意見を発言することは難しいところで、発信に関しても慎重さが求められます。
そのいっぽうで皇室の方々も、公務の内容や意義を発信したいというお考えは持っているのではないでしょうか。皆さまがどんな仕事をしているのかなどは、国民に意外に知られていません。HPは主体的に“見に行く”必要がありますが、SNSは情報が“流れてくる”ことになります。皇室SNS開設により、若い世代が皇室に興味を持ち、支持する人も増えると思います」