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「両陛下のご訪問が実現すれば、インドネシア国民にとって幸せなことです」

 

昨年7月、来日して天皇陛下雅子さまと会見したインドネシアのジョコ大統領が表明していた“招待”が実現することになった。政府は4月6日、両陛下が6月下旬にインドネシアを国賓として公式訪問される方向で調整していると発表した。

 

雅子さまにとっては初めてのアジアの国への公式ご訪問となる。名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは、訪問が決まった背景についてこう解説する。

 

「今年は日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の友好協力50周年の節目で、双方の関係もより深まります。そして、上皇ご夫妻が即位後に東南アジア諸国を最初に訪問されたことにも通じるお気持ちも伝わってきます」

 

上皇ご夫妻は1991年にタイ、マレーシア、インドネシアを歴訪された。このときに上皇さまは、インドネシアの首都ジャカルタにある「カリバタ英雄墓地」を訪問されている。皇室担当記者はこう話す。

 

「この墓地には、第二次世界大戦の終戦後もインドネシアに残り、オランダからの独立戦争を現地の人々とともに戦った旧日本兵らも埋葬されています。上皇さまはこの墓地で供花されており、今回陛下と雅子さまのご訪問も検討されています。

 

上皇さまと美智子さまは、ご在位中に戦没者への“慰霊の旅”を続けてこられました。交通の便が悪い場所にある慰霊碑であっても足を運ばれて、祈りを捧げてこられたのです」

 

上皇ご夫妻が同国を訪問された3年後に建立された慰霊碑へのご訪問も期待されるという。

 

「1994年に、日本政府が同国東部のビアク島に建立し、インドネシア政府が管理している『第二次世界大戦慰霊碑』があります。ビアク島は1万800人もの日本兵が戦死した激戦地であり、慰霊碑は“日本人だけでなくすべての戦争犠牲者への鎮魂”という目的で建てられました。

 

日本が初めて建設を申し入れたのは1979年。しかしインドネシア側に拒否され、上皇ご夫妻のご訪問後に、ようやく合意に結びついたのです。ビアク島はジャカルタから3千キロほど離れており、日程上制限はありますが、両陛下も“ぜひ足を運びたい”とお考えになっているそうです」(宮内庁関係者)

 

本格始動した令和の国際親善。上皇ご夫妻が心血を注がれた“慰霊の旅”も、陛下と雅子さまは着実に受け継がれていくーー。

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