■陛下の留学中には上皇ご夫妻がご訪問
陛下の願いを感じ、藪野さんはご一家を描いた。
「そのことを侍従の方を通じてお伝えしたところ、陛下は『私たちのことかと思いました』とお話しされたそうで、絵をご覧になってすぐにお気づきになられていたようです」(前出・藪野さん)
この水彩画のタイトルは『Merton College』。
「陛下は1990年代から美術史の先生方と私的な研究会を開かれていました。私もその会に参加していたことで、陛下とお会いする機会がありました。
私は1970年ごろから欧州各国のカントリーハウス(地方にある貴族の邸宅)を巡っていて、陛下にオックスフォードを訪れたお話をさせていただいたことがありました。私がオックスフォードで巡った場所を陛下もすべて訪れていらしたので、とても驚きましたね。
陛下はその当時のことを覚えていてくださったのでしょう。昨年末に侍従の方から、挿絵のお話を頂いたのです」(前出・藪野さん)
陛下の留学中、アフリカご歴訪の帰路に上皇ご夫妻が英国に立ち寄られ、陛下がオックスフォードの街を案内されている。
「天皇陛下と雅子さまは、今後国賓として訪英されることが決まっています。現在学習院大学文学部4年生の愛子さまは来年3月に卒業されます。卒業後は、陛下や三笠宮家の彬子さまが学ばれた実績のあるマートン・コレッジに留学される可能性は高いとみられています。
愛子さまが留学中に両陛下が訪英されれば、ご家族が一緒にオックスフォードの街を歩き、思い出の場所を巡られるでしょう」(皇室担当記者)
ご家族で英国へという天皇陛下の“祈り”が込められた水彩画が現実のものとなる日はそう遠くないようだ。陛下の学習院幼稚園時代からのご友人の速水敏昭さんは、留学中の陛下を訪ねたことがある。
「寮ではお茶をご馳走になり、お部屋にもお招きいただきました。留学時に、上皇ご夫妻がオックスフォードにお立ち寄りになっていたこともよく覚えています。愛子さまが英国にいらっしゃるときには、両陛下も同じようにお訪ねになると思います。
陛下はとても誠実な方。『全力でお守りします』と、雅子さまにプロポーズしたお言葉をいまも守り、幸せなご家庭を築いていらっしゃるといつも感じています」