■雅子さまのために富士山の絵を
ご成婚から30年。愛子さまのご誕生という喜びの一方、雅子さまはご病気と20年近く闘い続けてこられた。じつは、ご体調を崩される前、絵画に活力をお求めになろうとしていたという。雅子さまの知人はこう明かす。
「ご家族の影響で、雅子さまは幼いころから絵がお好きです。“洋画家の絹谷幸二さんに絵画を習いたい”と希望されたことがあったのですが、愛子さまを授かる前のことで、残念ながらそうした願いはかなわなかったのです」
雅子さまの密かな願いを、陛下は静かに受け入れられていた。
「2013年のお誕生日に際して公開された机に向かう陛下のお写真を見て驚きました。絹谷さんが描いた富士山の絵がお部屋に飾られていたのです。じつに陛下らしいお心遣いだと……」(前出・知人)
令和となってから、ご公務でも“家族の絆”を感じることが多いと、前出の皇室担当記者は語る。
「1泊2日という日程での地方行幸啓は、雅子さまのご体調への配慮とご公務を両立する形であると感じます。また、皇后のお務めであるご養蚕にも、陛下や愛子さまができる範囲で同行され手伝われるようになっています。
ご一家で支え合われてお務めに臨まれることは、“令和流”の象徴の一つだといえるでしょう。6月には、両陛下はご即位後初めて国賓としてインドネシアを訪問される“大任”も控えています。陛下と愛子さまのサポートで、雅子さまはご体調の維持に努めていらっしゃるそうです」(前出・皇室担当記者)
ちなみに水彩画は、まだ藪野さんの手元にあるそうだ。
「ゆくゆくは陛下に差し上げようと思っています」
陛下が『テムズとともに』を出版され、雅子さまとのご成婚から30年。ご一家は、届いた水彩画を眺められ、テムズ川の畔に思いを馳せられるのだろう。『Merton College』が描き出した家族の絆は、永遠に光り輝く――。