■生活全体に貫かれる“国民目線”のご姿勢
一般国民と異なり、天皇家の皇族が留学する場合、単身でその国に渡ることはない。元宮内庁職員で、皇室解説者の山下晋司さんはこう話す。
「天皇陛下が留学されたときは、当時東宮侍従だった富士亮さんと、同じく当時東宮ご一家の護衛の責任者だった警察官僚の末綱隆さんの2人が外務省に出向し、外務事務官として現地で陛下のお暮らしを支えていました。2人は公務として陛下に同行したので、渡航費や滞在費などは当然公費で賄われています」
愛子さまは、女性皇族が成年に伴い新調するティアラなどの宝飾品一式の制作を一昨年から固辞し続けられ、叔母の黒田清子さんから借り受けてお使いになっている。ティアラや留学を固辞されるばかりではなく、“国民目線”は、生活全体に貫かれている。
「愛子さまが9月5日に那須御用邸から帰京された際にお召しになっていた紺色のワンピースは、『GU』の2490円のものでした。また9月中旬に、都内の遊園地でのグループデートを報じられたときには、『ユニクロ』のブラウスを着ておられたのです。
公務で着用されるお召し物では、カジュアルなものは取り入れられませんが、オフの時間に低価格なファストファッションを愛用されており、国民と目線を合わせる姿勢を、両陛下から受け継がれているように思います」(前出・皇室ジャーナリスト)
愛子さまのお気持ちを、天皇陛下と雅子さまは尊重されながらも、将来的なご留学に向けて背中を押されていてーー。
「愛子さまが学習院女子高等科2年生のころに、学校のプログラムで3週間ほど英国へ短期留学しましたが、帰国後に愛子さまが現地での体験をお話しになる様子に、雅子さまはご成長ぶりに感動され、大変お喜びになっていました。天皇陛下もご著書『テムズとともに』(紀伊國屋書店)で、留学で得られる経験や国際的な知見を高めることの意義を強調されていらっしゃいます。
こうしたことからも両陛下は、愛子さまに“急がずとも留学してほしい”と強く望まれているように感じています。『源氏物語』など平安期の日本文学作品への研究を続けられる愛子さまに、日本と世界を結びつける学びを深めてほしいと、両陛下も期待を高めていらっしゃることでしょう」(前出・宮内庁関係者)
“清貧の誓い”を胸に秘めつつ、学業と向き合われる愛子さま。両陛下と国民の期待をも背負われて、世界へと羽ばたかれる日が待ち遠しい。