日本とギリシャの外交関係樹立125周年を記念し、8日間の日程でギリシャを公式訪問された佳子さま。6月1日に民間機で羽田空港に帰国された際は、長旅の疲れを感じさせないほどの笑顔をお見せになっていた。
今回のギリシャご訪問は、佳子さまにとって3回目の公式外国訪問。現地メディアでは「東洋のダイアナ」「ほほ笑みのプリンセス」などと、連日報じられるほど大きな反響を呼んだ。
また、佳子さまのお召し物についても高い関心が集まった。
パルテノン神殿を視察された際には、ギリシャの国旗を彷彿とさせる鮮やかなブルーのニットと白いパンツスタイル。ふんわりとしたパフスリーブが印象的な半袖ニットだったが、たちまち国内ブランド「Pierrot(ピエロ)」の商品ではないかと話題となった。
「リーズナブルな価格と上品なデザインが人気のブランドで、佳子さまがお召しになったとされるニットの価格は2990円です。
佳子さまは昨年11月にペルーのマチュピチュを訪問された時も、同ブランドの4790円のマウンテンパーカーをお召しになっていたことが注目を集めています。マウンテンパーカーと同じように今回のニットも注文が殺到し、すぐに全カラーが完売してしまったと報じられています」(ファッション誌関係者)
ニットだけでなく、ギリシャ北西部にあるケルキラ島を訪れた際にお召しになられたワンピースも“庶民派な品“だという声が上がった。水色の華やかな総レースのデザインで、国内ブランド「CELFORD(セルフォード)」が販売する27500円のワンピースだと見られている。
こうした装いで公式訪問に臨まれた佳子さまに、Xでは好意的な声が相次いだ。
《佳子さまの着てるニットかわいい 私も欲しい》
《佳子さまセルフォードとか着るんだ〜 親近感湧くな》
《庶民に寄り添ってる佳子様素敵すぎない?》
《佳子さまの好感度ますますアップ》
だがいっぽう、宮内庁内には懸念する声も上がっているという。
「職員の間には、“政府の閣議了解で実施される公式訪問にふさわしいものなのか”“予算でそれなりの品を新調しても構わなかったのでは”といった、佳子さまの現地での装いに対して疑問視する声も上がっていました。秋篠宮家周辺には外務省からの出向者や式部職経験者がいますが、誰もお召し物について意見しなかったのが不思議でなりません」(宮内庁関係者)
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも、佳子さまの装いについてこう語る。
「私的なご旅行であれば、安価で身軽な服装でも構わないと思います。しかし政府の閣議了解を経て、皇室や国民を代表して公式訪問されているわけですから、相手国の失礼にあたらないような服装の方がふさわしいはずでしょう。
また、容易に値段や入手先がわかるようなファッションでご公務に臨まれることは、中立性を重んじる皇室が、その製品を宣伝したと捉えられかねない一面もあります」
それだけではなく“皇室が軽視される”懸念もあると、小田部さんは指摘する。
「もちろん、お召し物や所作を庶民的でソフトな形になさることで、国民の間に親しみが生まれることもあります。親しみやすさから、佳子さまのさらなるイメージアップを図ろうと皇嗣職も考えたのかもしれません。
ただ、親しみやすさやイメージアップのために“庶民派”とばかり打ち出していると、国同士の公式な交流という厳格なシチュエーションの場では、かえって逆効果になることも少なくありません。
相手国の国民に軽薄な印象を与えないためにも、お召し物選びや一連の所作には、慎重なご姿勢で臨まれるほうが望ましいことのように思います。また、皇室の格調や尊厳に対しても、日本国民の間に失望の念や軽視する感情を広げるようなことにもつながりかねず、ソフトさばかりを追い求めることは避けるべきでしょう」
皇室の“ファッションリーダー”として、求められるのは親近感だけではないようだ。