「9月26日、天皇陛下と雅子さまは皇居・御所で、青年海外協力隊と日系社会青年海外協力隊の元隊員ら8人と懇談されました。彼らは、タイで障害がある子供に水泳や陸上競技の授業をしたり、ガボンで助産師として妊婦に保健指導をしたりするなど、さまざまな活動に従事していたのです。
雅子さまも、彼らの活動について、ときおり質問をされながら、熱心に聞かれていました」
そう語るのは皇室担当記者。
若い世代の活躍を、両陛下も頼もしく思われていることだろう。大谷翔平選手にとって初めてとなる地区優勝というビッグニュースで日本中が沸いたのは、その翌日のことだった。
「天皇陛下と雅子さまも、以前から大谷選手の活躍には注目されており、地区優勝を知って、喜ばれていたそうです。
お二人はスポーツ全般がお好きですが、野球やソフトボールには特に強い思い入れがあるのです。両陛下にとっては初めてとなる天皇杯・皇后杯をソフトボール競技に下賜されることが9月6日に発表されました」(前出・皇室担当記者)
天皇杯(盃)・皇后杯(盃)は、両陛下によってスポーツの競技団体に下賜される菊花紋章があしらわれたトロフィーのこと。それぞれの団体が開催する大会で優勝トロフィーとして授与される。
「サッカーの天皇杯などがよく知られていると思います。天皇杯・皇后杯が新しく贈呈されたのは、令和の御代になって初めてのことです。それぞれ全日本総合男子ソフトボール選手権大会、そして全日本総合女子ソフトボール選手権大会の優勝チームに授与されることになりました」(前出・皇室担当記者)
今回の授与の経緯について、「公益財団法人日本ソフトボール協会」専務理事の岡本友章さんは次のように話す。
「ソフトボール競技に天皇盃・皇后盃を下賜いただくことは長年の希望であり、昨年より下賜のご相談を宮内庁とさせていただきました。今回天皇盃・皇后盃を下賜いただいたことで、頂点を目指すチーム、指導者、選手にとっては、その栄誉を目指すモチベーションになりますし、またこのことをきっかけに、子供のスポーツ離れ、ソフトボール競技人口の減少を食い止めるきっかけの一つとなればと考えております。
天皇陛下、皇后陛下が野球を愛好され、皇后陛下が学生時代にソフトボールに親しまれていたことも、私どもソフトボール愛好者にとってはうれしい限りです」
確かに皇后盃の存在は高いモチベーションにつながったようだ。この9月16日、「皇后盃全日本総合女子選手権大会」で初優勝を果たした「戸田中央メディックス埼玉」の福田五志監督によれば、
「歴史と伝統がある大会に、このたび皇后盃が設けられたことで、全参加チームが懸命に初代チャンピオンを目指した大会でした。そんななかわがチームは初優勝を果たすことができましたが、歴史に残る優勝になったと思います。
アスリートにとって試合を見守ってくださる方の存在は、やりがいや成長につながります。両陛下に興味を持っていただいたことを大変うれしく思います」
雅子さまは少女時代から野球とソフトボールを愛好されていた。当時、読売ジャイアンツで活躍していた高田繁選手の大ファンでいらしたという。