■お三方は“独立”で皇族費も増額
三笠宮家内には、母娘の確執のほかに、彬子さまと瑶子さまご姉妹の“すれ違い”も生じているという。
「ご高齢であった百合子さまの身の回りのお世話や宮邸の差配は、長く瑶子さまが担われていました。京都産業大学の特別教授を務められ、東京と京都を行き来する彬子さまに対し、複雑な感情を抱かれてきたと聞いています。
4月に文庫化され、好評を集めた彬子さまの留学記『赤と青のガウン』(PHP文庫)も、瑶子さまのお手元には届けられていなかったそうで、ご姉妹の微妙な距離感をお見受けします。
この関係性のままでは、お三方が一つの宮家としてまとまれず、寬仁さま薨去後に三笠宮家にまとまることになった現状を継続することは困難です。宮内庁内では、お三方がそれぞれ世帯主となる形も検討されていますが……先行きが不透明な状況はしばらく続くでしょう」(前出・宮内庁関係者)
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、事態の長期化は皇室へのイメージに深刻な影響を及ぼしかねないと危惧している。
「天皇家を国民が崇敬する背景には、長幼の序や家族間の融和という、古くは見えても日本社会で大切にされてきた価値観を、皇室全体が尊重してきた側面があります。こうしたことから、皇族同士の人間関係の“こじれ”が、長きにわたって放置され、注目を集めているのならば、好ましいことではありません。
さらに、もし信子さま、彬子さま、瑶子さまがそれぞれ世帯主となった場合、皇室経済法の規定で、皇族費も増額することになります。信子さまは現在の1525万円から3050万円に、彬子さまと瑶子さまは約640万円から約1067万円と増額されるのです。
また信子さまがお一人で住まわれている宮内庁分庁舎(旧・宮内庁長官公邸)の総額約13億円に及ぶ改修費も注目されましたが、お三方がそれぞれ別の邸宅で生活されることに対しても、違和感を抱く国民は少なくないでしょう。いずれにしても、現状に対する説明は欠かせない局面になっていると思います」
混迷を極める三笠宮家のお家騒動。女性皇族方を束ねられる雅子さまの懊悩が、これ以上深まらないことを祈るばかりだ。