■食事や食習慣まで…超勤勉な健康管理も
万全の医療態勢がご回復を支えていたとはいえ、骨折やリハビリにともなう痛みは、想像を絶するものだ。美智子さまが退院されて11日後の10月24日に、仙洞御所で面会したのは、編集者の末盛千枝子さん。美智子さまのご著書の出版などにも関わり、30年来の交流がある。この日の対面を、末盛さんは次のように振り返る。
「お会いしたのは約1年半ぶりでした。上皇后さまも私も車いすで、手を握ったまま横に並んでお話ししました。足の痛みについて伺うと、『あっちもこっちも痛いから、どれがどうなっているのかわからないの』とお答えでした。きっと首や手などの痛みもあるのでしょう。このときは、午前と午後にリハビリに取り組まれていたと思います」
さまざまな痛みにも耐えながら、美智子さまはさらに、食事や生活習慣にも気を配られ続けていたようだ。宮内庁関係者は、
「上皇さまは前立腺がんの手術後、ホルモン治療の影響で、骨粗しょう症の懸念を主治医から示されていました。小魚や牛乳などからカルシウムを積極的に取るようにというアドバイスを受けられ、上皇さまと美智子さまはきちんと守られてきたそうです。
現在にも続く食生活が、美智子さまのご回復を支えていたとも思います。また、皇太子妃時代からたびたび健康面の相談役として信頼を寄せられていた、台湾の女性医師・荘淑旂さんの“教え”も、忠実に守られていらっしゃったのではないでしょうか」
荘さんは、慶應義塾大学医学部で博士号を取得、家庭で実践できる予防医学の観点から日常生活に取り入れやすい健康法を提唱し、台湾では“伝説の名医”として知られる。荘さんは2015年に逝去したが、美智子さまは荘さんの助言を習慣とされてきたようだ。
「早朝のお散歩は、荘さんのアドバイスから始められたことだったと伺っています。朝露が残る時間に、草木の呼吸に合わせるように歩くことで、心身をリフレッシュする、というものだそうです。また、長いタオルを使って、手足や体全体を伸ばす『宇宙体操』という体操を長年にわたって実践されていました。
美智子さまが荘さんからの助言で実践されたことはほかにもあります。1993年ごろ、皇后となられて間もなく声が出なくなられた美智子さまに、荘さんは米焼酎やしょうがのしぼり汁を使った足湯、耳のマッサージを用いたリラックス法をアドバイスされていたと聞いています」(前出・宮内庁関係者)
美智子さまの健康を守られるための勤勉さは、けっして揺るがないのだろう。前出の末盛さんは、
「私が帰るときに、手を握られて何度も『またね』とおっしゃっていて。きっと上皇后さまはよほど大変な毎日をお過ごしになっているのだろうと……。それでも、上皇さまをお支えするという人生の目的のため、つらいリハビリにも頑張られていたのでしょう」
最新医療と台湾名医の健康法をあわせて用いられている美智子さま。上皇さまをお守りするというご覚悟を胸に、どんな困難にも屈せず歩まれ続ける。