■“女性・女系”天皇の容認に向けた議論を
自民と立憲の見解が対立するなか、維新や国民民主は、女性皇族が結婚した夫と子を「准皇族」とするという案を示している。近現代の皇室に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、こう問題点を指摘する。
「協議の中で他党や内閣法制局も指摘していましたが、准皇族という地位や身分は、《華族その他の貴族の制度は、これを認めない》という憲法14条第2項に反する可能性が高いとされています。
一連の協議では、“悠仁さままでの皇位継承はゆるがせにしない”“男系継承は堅持”という考え方がほとんどの党派の意見の前提となっています。准皇族という案も、この前提が背景となっている例外規定のように感じています。
皇族数の減少は、女性皇族が結婚によって皇籍から離れることで進んだ一面があります。さらに昨今の世論調査でも、女性天皇や女系天皇を容認する声が高まり、多くの国民もその実現を願っています。男系男子に限られた皇位継承は明治以降に定められた制度です。もう一度原点に返り、女性宮家の創設や、女性天皇、ひいては女系天皇の容認に向けた議論も始めていくべきだと思います」
愛子さまや佳子さまの将来の夫とその子供が、不安定な立場におかれ、結果的にお二方もご不幸に……。そんな将来に、雅子さまも憂慮を深められているのだろう。
前出の宮内庁関係者は、
「十分な取り組みがなされていない現状に、天皇陛下と雅子さまは強い危機感を抱かれています。しかしお立場から積極的な発信もできず、もどかしい思いを深められているようにも拝察します。
愛子さまと佳子さまはじめ、未婚の女性皇族の方々も同様に、国会での議論の推移を注視されています。皆さま方の人生や、皇室の未来に直結するわけですから……。どうか皇室の方々の思いを汲んでいただきたいものです」
このままでは、“皇族になれない夫と子供”を持つこととなるかもしれない愛子さまと佳子さま。政治家たちの頑迷な姿勢が、女性皇族の将来を幸せから遠ざけようとしている。
