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「診察で触診するとおなかがひんやりしている女性が多く見受けられます。そういう人はほぼ、便秘、腰痛、むくみ、睡眠障害など、何らかの体調不良に悩まされています。特に多いのが便秘。腸の冷えと関連しているようです」

 

こう話すのは、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生。体の冷えと免疫力や代謝機能の関係について発信し続けている。

 

「腸は人間の体で最大の免疫器官といわれていて、全身の免疫細胞の7割が腸に存在しています」(石原先生・以下同)

 

私たちのおなかには、6〜7メートルに及ぶ長い小腸があるが、小腸の腸壁にあるパイエル板という“ヒダ”にはリンパ球や善玉菌がすみついて、体内から異物を取り除いたり、やっつけてくれて、私たちの免疫力を発揮してくれている。

 

「このとき、細胞の働きを活発にするために必要なのが酵素です。酵素は体の深部体温が37度くらい(表面体温は36度台)のときに最も働くといわれています。深部体温が適正な温度に保たれていると、新陳代謝も活発で、免疫力もあり、全身の体調も整いやすいのですが、体温が下がるにつれて酵素の働きが鈍くなり、免疫力も下がるのです」

 

そこで、石原先生がおすすめするのが“腸温活”。とにかく24時間365日、おなかを温め続けることで、肌の調子もよくなり、脂肪も燃焼されてダイエット効果も期待でき、健康になるという。

 

お風呂につかったり、運動するなど腸温活はさまざまな方法でできるが、なかでも手軽で便利なのが腹巻き。石原先生自身、15年以上愛用しているというマストアイテムなのだそう。

 

ただ、腹巻きは薄着の季節にはアウターに響きやすいなどの課題もある。そんな場合はもこもこパンツと腹巻きが合体した“腹巻きパンツ”を下着の上からはくことをおすすめしたい。

 

「最近は、女性の下着も腰を広く覆うスタイルのものが増えています。腹巻きだとずれて使いにくく感じることもあるのですが、腹巻きパンツだとそうした悩みが一気に解消され、常におなか回りが温かく保てます。腹巻きで血の巡りがよくなれば、1カ月程度で2〜3キロは体重が減るでしょうし、その後も太りにくい体質に変わっていきます」

 

特にこれからは、外は暑くても室内では冷房で体が冷えやすくなる季節。

 

「冷房が効いた空間に長時間いると、血流が滞って、下半身がむくみやすくなります。血流改善にはカイロや湯たんぽの併用もおすすめです」

 

貼れるタイプのカイロはおへその下や骨盤の中央部にある仙骨あたりに貼ると、おなか全体を効果的に温めることができる。

 

また、よもぎ蒸しパッドのような、下着に貼って直接下腹部を温める方法や、こんにゃくを温めたものや焼き塩をおなかに当てる塩湿布、湯たんぽを使うなどの腸温活もある。腸温活は、美容やダイエットだけでなく、更年期のお悩みにも効果を発揮してくれるそう。

 

「更年期世代の女性でもホットフラッシュなどの症状が出る人とそうでない人がいます。その違いを観察していると、血流に“鍵”があるようです。体が冷えている人は、血液が頭にのぼって、ほてりの原因となります。体を温めて全身の血流をよくすると、下半身にも血液が下がりほてりが改善されるでしょう」

 

腸温活を習慣にして、健康体とスッキリおなかを手に入れよう。

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