怪我に消毒薬はNG!?内科医が教える「症状別・薬の新常識」
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【骨粗しょう症】

ここからは、年齢を重ねた女性特有の症状について、それらの薬に対する注意点を解説! 最近注目の骨粗しょう症予防薬には、意外すぎる副作用があった。

 

「理由は不明ですが、顎の骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になる『顎骨壊死』が報告されています。顎に穴があき、口腔内が貫通することも。口腔内の細菌が血流に乗って全身を巡ってしまうので、高齢者は致命的になることも考えられます」

 

骨を強くするには、食事によってカルシウムをしっかり摂取し、日光を浴びてビタミンDを合成しつつ、適度に運動することが王道。薬の使用は、それらが難しい場合に検討してみよう。

 

【更年期障害】

更年期障害の治療といえば、ホルモン補充療法が一般的。

 

「しかし、性ホルモンが作用する子宮や胸を刺激し続けるので、子宮がんや乳がんのリスクを上昇させるというデメリットもあります。ホルモン補充療法は、あくまで短期的なものです。治療の際は主治医と『やめどき』について、きちんと話し合っておきましょう」

 

【こむらがえり】

高齢になって筋肉量が減ると起こりやすくなる「こむらがえり」。血中のカリウム濃度を変えてくれる漢方薬・芍薬甘草湯は、薬局でも買えるのが魅力だが、飲みすぎるととんでもないことに。

 

「この年代の患者さんは『もの忘れ』も少なくありません。そのため、一日の用量を忘れて『足がつっては薬を飲む』を繰り返した結果、血中のカリウム濃度が急激に低下してしまい、心室細動と呼ばれる命に係わる不整脈を引き起こしてしまうこともあります。この薬に限らず、処方薬と違って服用が自己判断になる市販薬は、用法・用量にも注意が必要です」

 

忘れてはならないのが、どんな薬にもメリットとデメリットがあるということ。

 

「このバランスを考え、薬はメリットのほうが大きい場合に『最後の切り札』として使いましょう。最初から安易に薬に頼るのではなく、まずは健康的な生活習慣を心がけることもお忘れなく!」

 

これからは、薬と正しく付き合うことも、健康管理の一つです!

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