(写真・神奈川新聞社)
川崎市は4月に施行した市客引き行為防止条例に基づき、悪質な客引き行為を繰り返した者に罰則を適用できる重点区域に川崎駅東口周辺を指定する案をまとめた。
区域案はJR川崎駅東西自由通路から市役所通りと新川通り、国道15号に囲まれた約22万平方メートルの東口一帯。区域内の路上など公共空間での客引き行為が禁止される。
市は市内繁華街での客引き行為調査で客引きが最も多かったことから重点区域に選んだ。細かい区域の選定に際しては、地元商店街などの意見も聞きながら決めた。
市は6日から7月5日まで区域案に関するパブリックコメントを行い、意見を募集した上で7月下旬に決定。周知期間を置き、9月1日から同区域で罰則の適用を開始する。
同条例は繁華街での立ちふさがりやつきまといなどの悪質な客引き行為を規制するのが目的。風営法や県条例で規制対象外だった居酒屋やカラオケ店を対象に加えた。市が指定した重点区域で客引き行為を繰り返した違反者に5万円以下の過料を科す。氏名や店名も公表する。
JR川崎駅周辺商店街などでつくる「かわさきTMO(タウンマネジメント機関)」(事務局・川崎商工会議所)は、悪質な客引きやはみ出し看板などを行わない店舗が店に張り出すステッカーを作成した。各商店街の推薦に基づき、今月から交付していく。
同駅東口周辺では4月に客引き行為防止条例が施行され、路上での客引きを控えた店がある一方、罰則適用が9月以降とあって続けている店も少なくない。
ステッカーはルールを守る店にお墨付きを与え、店のPRに活用してもらう目的。20センチ四方の正方形。「安全安心まちづくり推進協力店」と書かれ、「人に街にやさしい」とのコピーとともにハート形の人が描かれている。
本年度の交付数はこれまでの「安心の店」ステッカーの切り替え分(20店舗)を含めて50店舗を目指す。