米国が国外に置く全米軍基地とNATO基地の撤退を求める国際会議が、現地時間の16日、アイルランドの首都ダブリンで始まった。沖縄と同じく環境汚染や騒音被害などの米軍基地問題を抱える世界約30の国と地域から約230人が参加した。開会式で「米軍とNATOが主導する戦争により地球規模の環境破壊と健康被害が引き起こされてきた」とし、全世界から米軍、NATO基地を撤去することを提起する共同宣言を発表した。
会議は、米軍基地問題に取り組む各国の市民団体が加盟する国際組織「全世界の米軍基地・NATO基地の閉鎖を求めるグローバルキャンペーン」が主催。会議2日目の17日には、沖縄の米軍基地に関する討論も開かれる。代表者の一人、米国人のバーマン・アザットさんは取材に「日本では、沖縄の人々が孤立の闘いを強いられていると聞いている。同じような問題は地球規模で起きている。国を超えた連帯によって解決したい。沖縄の人々には、世界が味方に付いていると伝えたい」と話した。
初日の会議では、北アイルランド問題の平和的解決に取り組み、ノーベル平和賞を受賞したマーレッド・マグワイヤーさんが「戦争犯罪を許さず、政治的中立を堅持するアイルランドから米軍とNATOの軍備拡張を止め、非暴力による平和的社会の実現を目指そう」と訴えた。
沖縄平和運動センターの山城博治議長が17日、沖縄の現状を訴える予定だったが、健康状態が懸念されたため欠席。新基地建設などへの抗議活動で威力業務妨害などの罪に問われ現在控訴中の稲葉博さんが出席する。
開会式に先立ち、デモ行進が行われた。(大矢英代通信員)
関連カテゴリー: