「乗り鉄」でもなく「撮り鉄」でもなく、「走り鉄」?。浦添市まで延長した沖縄都市モノレール(ゆいレール)の沿線を走るイベントが5日あり、県内のマラソン愛好家約30人が楽しんだ。那覇空港駅をスタートし、ゴールのてだこ浦西駅まで約17キロを走った参加者は「初めての風景」「道も新しかった」と興奮。途中、新駅や周辺の史跡・名店で道草し、ゆいレール沿線の魅力も再発見した。
企画したのは泡盛の瓶を模した「あわもり君」のコスプレで県内のほとんどのマラソン大会に出場する鈴木一人さん(44)=那覇市。便利になったゆいレールをマラソン大会などでも活用してもらおうと考えた。当初「参加者は10人くらいかも」と見積もっていたが、会員制交流サイト(SNS)や口コミで広がり約30人に膨らんだ。
あわもり君だけでなく、オリオンビールやピッコロ、ギャルなど多くのコスプレランナーを加えた参加者は午前8時に那覇空港駅を出発。レールをなぞるように快走し、上り坂が続き最大の難所となる古島駅から首里駅までの道のりも難なく進んだ。
1週間前に同じコースを1人で走ったという照屋恵一さん(52)=浦添市=はSNSで企画を知り、飛び入り参加した。「先週はペースも崩してしまいきつかったが、今日は楽しい」と笑う。
ランは順調と思われたが、おやつタイムで立ち寄った首里駅近くのぎぼまんじゅうで「予想以上に時間を使った」(鈴木さん)と思わぬ誤算。他の道草スポットを若干割愛し、前田トンネルの上にある組踊を生んだ玉城朝薫の眠る墓を参り、昼前にゴールした。
手作りのオリオンビールの着ぐるみで走った新山陽子さん(47)=那覇市=は「ゆいレールはよく使うが、自分の足で走るとカフェとかレストランとかこれまで知らない所がいっぱいあった」と喜んだ。
最後はてだこ浦西駅をバックにパシャリ。乗車券を買い、ゆいレールに乗って帰路に就いた。
(仲村良太)