那覇市の首里城近くにある円鑑池(えんかんち)で、今月1~6日にコイやテラピアなど約90匹が死んでいたことが分かった。市が12日、市議たちに報告した。首里城火災直後の1日に池の状態を見た上里直司市議によると、市は10月31日の火災による灰が池に入った可能性があると説明したが、大量死の原因は判明していない。
上里市議は市から説明を受ける前の1日午前、池の水が茶色く変色しているのを確認した。1匹のコイが瀕死(ひんし)の状態で水面近くにおり、もう1匹のコイは完全に浮き上がっていた。
5日には黒く変色していたが、現在は以前の色に戻っているという。
日本環境化学会の評議員で名桜大の田代豊教授は、「首里城の火災と魚の大量死との関連については、池と城郭との距離や火災によって発生した汚染物質の流入経路の有無によって、判断が分かれる。現時点で因果関係を評価することはできない」と話した。
その上で、河川で魚が大量死した際によく見られるケースとして、「水温が急激に上がると水中の酸素濃度が低下し、魚が酸欠状態になる。何らかの要因で水中の微生物の活動が活発化した場合にも、酸素濃度が急低下し、酸欠による大量死が起きる」と説明した。
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