琉球銀行(川上康頭取)と沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は19日、創薬支援事業などを展開する沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)発のベンチャー企業シルクルネッサンス(名護市、伊東昌章社長)に協調して融資と出資をしたと発表した。シルク社は合計で約6千万円の資金を調達し、研究員と技術員、事務員を雇って事業を本格化させるという。
シルク社は、カイコの糸を作る器官から抽出した液体を用いて、目的に合ったタンパク質を作る技術を持っている。細胞の培養を必要とせず、従来の手法に比べ短時間で納品できる。清酒醸造の大関(兵庫)と連携して、製薬会社や研究機関向けにタンパク質を合成するサービスを始めている。カイコの糸を構成する物質「高分子セリシン」の培養細胞増殖促進効果を生かした再生医療支援事業の展開も予定している。
伊東社長は「支援事業だけでなく、技術を基盤に創薬企業になりたい。大手製薬会社とも連携して、10年以内にはめどをつけたい」と話した。
琉銀は、ベンチャー企業を支援するBORベンチャーファンド(りゅうぎん総合研究所運営)と、りゅうぎん6次産業化ファンド(山田コンサルティンググループ運営)を活用して出資する。沖縄公庫は、新事業創出促進出資制度と中小企業・小規模事業者向けの資本性ローンを活用する。
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