沖縄戦時中、本部町健堅に朝鮮人2人を含む14人が埋葬された土地で9日から日本、韓国、台湾の若者らによる「共同発掘作業」(健堅の遺骨発掘共同実行委員会主催)が始まった。若者らは重機で土を3~4メートル掘り起こした場所で、土に残る遺物を丁寧に発掘した。作業は11日まで続く予定で、同実行委は発掘作業を通して東アジアの平和構築にもつなげたい考えだ。
発掘作業は9日午前の「慰霊式」から始まり、住職による読経や、賛美歌の合唱などがあった。慰霊式であいさつした本部町の仲宗根清二教育長は「戦後75年を迎えるが、いまだに多くの方の遺骨が県内各地の山野に、人知れず眠っている。全ての遺骨がそれぞれの遺族の元に帰り、供養することが遺族の切なる願いだと思う」と語り、遺骨発掘に期待した。
発掘作業は、埋葬地で当時の写真を参考に、背後に写る瀬底島との位置関係を合わせながら、徐々に範囲を広げて調査を進めている。参加者らは岩と岩の間の土を少しずつよけ、国籍を越えて協力しながら作業を進めた。韓国・済州島から参加した金明志(キムミョンジ)さん(28)は「同じ東アジアの市民として国籍に関係なく発掘作業ができたことに意義を感じている」と語った。
台湾出身で早稲田大4年の張文越(ちょうぶんえつ)さん(22)は「一緒に作業をして、話して、交流していくのは平和をつくるために大事だ」と語った。平和行進などを通して東アジアの人と交流してきたという相原更紗さん(33)=宜野座村=は「(日本が)やってしまったことを含めて、今の時代を生きる人がもう一度見直していくことが大切と思う」と語った。
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