県教育委員会は22日、暴力行為やいじめなどの現状を把握する、2019年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の県版を公表した。国公私立小中高校の暴力行為発生件数は前年度比618件増の2687件、いじめ認知件数は同2096件増の1万4895件、不登校者数は同181人増の4630人だった。いずれも過去最多となった。県教委は、軽微な事案も積極的に認知した結果、暴力行為やいじめ認知件数が増加したとみている。
千人当たりの暴力行為発生件数は小学校が17・8件で全国の6・8件の2・6倍。中学校は16・4件で全国の8・8件の1・9倍と高かった。高校は1・3件で全国の2・0件を下回った。
千人当たりのいじめ認知件数は69・5件で全国の46・5件を上回っている。認知した時点で「解消しているもの」は77・1%で、全国の83・2%を6・1ポイント下回った。
不登校児童生徒数は小学校が前年度から155人増え1262人だった。中学校は126人増の2144人。高校は100人減少し、1224人だった。小中の不登校児童生徒のうち、90日以上の長期欠席者の割合は47・8%で、全国の55・6%より低かった。
高校の中途退学者数は141人増の1422人だった。中退率は2・3%で、全国の1・3%より高い水準となった。県立高校の中退者はわずかに減っており、通信制高校などの退学者数が全体を押し上げたとみられる。
金城弘昌県教育長はコメントを発表し、暴力行為やいじめ認知件数について「全国と比較して高い傾向にあるが、軽くたたかれる等の行為や、冷やかし・からかい等も見逃さず、積極的に認知した結果」と分析した。不登校の増加要因については、学校以外での多様な学びの場を提供することを目的とした教育機会確保法の浸透を挙げつつ、「教育を受ける機会が損なわれることは憂慮すべき状況であると受け止める」と指摘した。