陸上自衛隊は2日、宮古島市城辺保良の陸自保良訓練場にミサイルなどの弾薬を搬入する作業を始めた。CH47輸送ヘリコプター2機で宮古島に運び込み、車両に移して保良訓練場に入れた。今回の空輸を皮切りに地対空、地対艦ミサイルを含めた弾薬の搬入作業を加速させたい考え。今回空輸した弾薬の量や種類について自衛隊は正式に発表しなかったが、地対艦、地対空ミサイルは含まれていない可能性が高い。関係者によると、地対艦、地対空ミサイルは海上運搬を検討していたが、搬入計画を再調整している。
ヘリ2機は2日昼ごろ、那覇基地にいったん着陸した。関係者によると、九州の自衛隊施設から飛来して給油した。午後1時すぎ、宮古警備隊から市に弾薬を搬入する旨の連絡があった。午後2時以降に相次いでヘリ2機が市上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地に着陸。弾薬を車両に積み替え、保良訓練場に運び込んだ。
玉城デニー知事は、県や宮古島市に十分な情報が事前に共有されなかったことは「誠に遺憾」とし、「危機管理の観点からもあってはならないことと強く指摘せざるを得ない」とのコメントを同日夜、発表した。
保良訓練場は2019年に建設が始まり、20年4月までに建設予定の弾薬庫3棟のうち2棟が完成した。
防衛省は5月13日に宮古島市を訪れ、17日以降に同訓練場へ弾薬を搬入すると報告していた。座喜味一幸市長は「市民の安全確保」を理由に詳細の公開を求めていたが、防衛省はこれに応じなかった。
関連カテゴリー: