第1回 お経の量は半端ない

投稿日: 2014年05月08日 07:00 JST

お経を聴くのは葬式の時くらい。それも意味が分からないし、お坊さん独特のリズムで読まれるので、聴いているうちにだんだんと眠くなる……。そんな人は多いだろう。
それじゃ、あまりにもったいなさすぎる!
仏教のエッセンスが詰まったお経は、意味が分かってこそ、ありがたい。世界観が十二分に味わえる。この連載は、そんな豊かなお経の世界に、あなたをいざなうものである。
これを読めば、お葬式も退屈じゃなくなる!?

著者:島田 裕巳(シマダ ヒロミ)
1953年東京都生まれ。宗教学者、作家。東京大学文学部宗教学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。現在は東京女子大学非常勤講師。著書は、『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか』『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『葬式は、要らない』(以上、幻冬舎新書)、『0葬』(集英社)、『比叡山延暦寺はなぜ6大宗派の開祖を生んだのか』『神道はなぜ教えがないのか』(以上、ベスト新書)、など多数。

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お経と聞くと、たいがいの人は葬式のときに聞くもの、あるいは聞かされるものと考える。

聞かされても、難しくて、何を言っているのかわからない。

それでも、焼香のときのバックグラウンド・ミュージックと考えれば、葬式らしさを演出する小道具のようなものにも思えてくる。

私たちは、お経についてそんなイメージを抱いている。

しかし、本当のところ、このお経というものは、いったい何なのだろうか。

多くの人は日頃そんなことも考えないかもしれないが、葬式のときのお経が案外気持ちよく聞こえたりすると、少しそんな疑問を感じたりもする。

お経とはいったい何なのだろうか。それは何のためにあるのだろうか。これから考えようとするのは、そのことだ。

 

経典と同じ読み方をするものに「教典」がある。経典も教典も同じ意味で使われることがあるが、仏教の教典となると、経典という言い方が主に使われる。お経は「経典」である。

経典は「仏典」とも言う。仏典とは、仏教の教えを記した書物の集まりである。

仏典の第一の特徴は、それが膨大な数存在することにある。

同じ教典としては、キリスト教の聖書がある。聖書は世界で一番多く読まれている超ベストセラーだとも言われるが、これもかなり分厚い。

けれども仏典の方は、聖書とは違い、とても一冊にはおさまらない。

仏典を集めたものに、「大蔵経」というものがある。これは、「一切経」とも呼ばれるが、その量は半端ではない。

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現在、日本で一般的に使われる大蔵経は、『大正新脩大蔵経』と言われるものである。大正時代から昭和のはじめにかけて刊行されたもので、全部で100巻にも及んでいる。

しかも、1ページが17字詰で29行の3段組である。1巻平均がおよそ1000ページにもなる。

図書館に行っても、その全貌にふれることが難しい。ただ、東京にお住まいの方は日本の書店チェーンの代表であるジュンク堂の池袋本店に行くと、これが一つの書棚に全部おさまっている光景を目の当たりにすることができるはずだ。

ぜひ一度それを見てほしいが、とにかく仏典の量は半端ではない。

仏典はすべて、仏教の開祖である釈迦の教えを記したものとされている。

その証拠に、あらゆる仏典は、「如是我聞」ということばで始まっている。これは、「私は釈迦の教えをこのように聞いた」ということを意味している。

もちろん、実際に釈迦が大蔵経に収められている説法を行ったわけではない。

仏典はすべて釈迦が亡くなった後に作られたものである。

それは、多くの宗教に共通して言えることで、開祖と言われる人物がその教えを直接書き記すということはない。近代に入るとそうしたことも行われるようになるが、古い時代に遡れば、開祖が直接教えを書くことはない。書いたのは、その弟子、あるいは孫弟子、さらにはもっと後世の信者たちである。

後世に書かれたものであるなら、それは本当に開祖の教えそのものなのかという疑問が湧いてくるだろうが、ここではとりあえず、その疑問については深入りしない。いつかそのことにふれる機会もめぐってくるだろう。

 

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