「金メダルの確率は50%。対抗馬はキム・ヨナ(韓国)、カロリーナ・コストナー(イタリア)、アシュリー・ワグナー(アメリカ)のほか、ダークホースとして地元ロシアの若手選手が絡んでくると思います。キム・ヨナは今シーズン、グランプリファイナルに出場していませんが、一発勝負に強いですからね。真央ちゃんのメダルの行方はやはりキム・ヨナ次第ということではないでしょうか」
こう予想するのは、タレントでプロスケーターの渡部絵美さん。2月に行われるソチ五輪で、もっとも注目されている選手といえば、やはり女子フィギュアスケートの浅田真央(23)だろう。’10年のバンクーバー五輪では、ライバルのキム・ヨナに敗れ、惜しくも銀メダルだった彼女。今回、自身の集大成となるソチの舞台で、はたしてリベンジできるだろうか。渡部さんは、浅田の金メダル獲得を願いつつも、プロの視点から冷静に現状を分析してくれた。
「今シーズンの真央ちゃんは、とてもイキイキしていますね。とくに’13年11月、NHK杯の演技はすばらしく、好調をキープしているように見えました。ただ気になるのは、トリプルアクセルにこだわることで、ほかのジャンプに悪影響を及ぼす懸念があるということです。これがいちばんの心配材料ですね」
たしかに、トリプルアクセルの回転不足や着氷ミスのほかにも、3回転を交ぜたコンビネーションのミスが、今シーズンは何度かあった。
「それでも今の真央ちゃんは、高得点が取れます。それは、スケーティングのうまさです。ステップ、スピンは、バンクーバー五輪のときよりもはるかによくなっています。ジャンプでミスしても、しっかりとカバーできる技術を身に付けていますから、五輪ではジャンプさえ完璧に成功すれば、かなりの確率で金メダルが取れると思います」
ただし、フィギュアスケートは審判員の採点が大きく影響する競技。渡部さんは「オリンピックには魔物がいる」と、予想外の落とし穴があるかもしれないと心配する。そのいっぽうで、金メダリストになれる意外な“法則”を教えてくれた。
「長野五輪以降、フィギュアで金メダルを取った選手は、みんなブルー系の衣装を着ていました。NHK杯で優勝した真央ちゃんが着ていた衣装も、ブルー系でした。このまま、衣装のカラーを変えないで、ソチに臨んでくれたら、金メダルを取れるかもしれませんね(笑)」