「3月の世界選手権に向けてトレーニングに集中したい」
そう意向を伝えて、2月に台北で開催される四大陸選手権の欠場を決めた浅田真央選手(25)。男子では、世界選手権に的を絞り、その前哨戦である四大陸はパスする選手もいる。だが彼女は当初「試合感覚をもう少し味わいたい」と、あえて四大陸にも出場する意欲を見せていたのだ。果たして彼女に何が起こったのか。あるフィギュア関係者は次のように語る。
「昨年末の全日本選手権で、満足には程遠い演技しかできなかったことが、かなり尾を引いているようです。結果的に3位になり、ギリギリで世界選手権への切符は手にしたわけですが、『このままでは、とても世界選手権では戦えない』と危機感を募らせています」
12月27日、女子フリーの当日。トリプルアクセルなどのミスが続いた浅田は蒼ざめた表情でリンクを後にしたという。当初は’18年の平昌五輪も視野に入れていたという彼女だが、いまは一戦一戦に必死に挑んでおり、実は全日本にも「負けたら引退する!」と覚悟して臨んでいたのだ。
あまりのショックに沈む浅田を救ったのは、姉の舞だった。フリーが終わった後、浅田が目に涙を貯めながら久しぶりに会った姉・舞に駆け寄る姿が目撃されている。
「女性マネージャーと姉妹の3人で、ジンギスカン・レストランへ行ったそうです。自分がイメージしたように跳べない悩みを打ち明ける真央ちゃんに、舞さんは『真央、世界選手権がまだ残っているじゃない』と力強く励ましたといいます。そのお蔭で、落ち込んでいた真央ちゃんも徐々に笑顔を取戻し、前向きになれたようです」(浅田家の知人)
姉の励ましで当面は引退を思いとどまった浅田。1月9日、盛岡で開催されたチャリティアイスショーに出演した彼女は、いつもは競技でしか跳ばないトリプルアクセルに挑戦し、会場を沸かせた。
「12月の全日本選手権ではショートプログラム、フリーともに、トリプルアクセルには失敗しています。それだけに、あのジャンプには彼女の“復活”にかける強い意気込みが感じられましたね。会場に来ていた荒川静香らも驚いていました」(別のフィギュア関係者)
姉・舞との絆を胸に、世界選手権では“復活の舞”を見せて欲しい。