(写真・AFLO)
平昌五輪のプレシーズンとなる今季の初戦『フィンランディア杯』(10月6日)に出場した、浅田真央(26)。初戦をグランプリシリーズではなく“格下”といわれる同大会で迎えるのは、浅田にとって初めてのこと。さらに異例だったのはフィンランドに飛ぶ直前の会見で代名詞でもある“トリプルアクセル”封印を宣言していたのだ。
「いつものシーズンより(調整が)かなり遅れているかな。(トリプルアクセルが)全然、間に合っていない。確率がもう少し上がってから入れようかと考えています」
こう調整不足を明かし、表情も冴えなかった浅田。周辺からも今季の演技を不安視する声ばかりが聞こえてくる。
「最近、佐藤信夫コーチは浅田選手について『25歳以上の選手を指導するのは本当に難しい。彼女の疲労度を考慮すると、2日続けてハードなトレーニングができないし……』とため息をついていたそうです」(フィギュア関係者)
いままでにない変調は浅田が直面する年齢という“壁”だけなのだろうか。9月25日に26歳の誕生日を迎えた浅田。これまでは大きなホールケーキで祝うのが恒例だったが、今年はプチケーキですませたという。
「10代の頃はホールケーキを半分ほど平らげ『明日たくさん練習すればいいよね!』と笑っていたのに、今回の誕生日では2口だけ。大好きな焼き肉も断つなど、太らないように細心の注意をしています」(別のフィギュア関係者)
コンディション作りに苦しんでいる浅田だが、“年齢の壁”は体だけではなく心にも影を落としているようだ。
「昨季、2年ぶりに競技復帰した浅田選手は『大会に出ても、ひとりぼっちですごく寂しい』と漏らしていました。以前は鈴木明子さんや村上佳菜子選手と控室でおしゃべりするのが、何よりの息抜きだったそうです。それが復帰後、周りは10代の若い選手たちばかり。『私が話しかけてもうなずくだけで、誰も話しかけてくれない』とこぼしています。10歳前後の歳の差がある後輩選手にとって、浅田選手は“神様”のような存在。おそれ多くて気軽に話せないんでしょうけど」(前出・フィギュア関係者)
心身ともに崖っぷちに立たされた浅田は、この逆境を乗り越えられるのか。
「不安はもちろん、いっぱいあるようです。それでも心が折れずに頑張っているのは、『佐藤コーチの首に五輪のメダルをかけてあげたい!』という強い思いがあるから。平昌五輪まで、あと1年半弱。ソチのリベンジに燃える浅田選手は、五輪本番に向けて着実に調子を上げていくはずです」(別のフィギュア関係者)
たれこめる暗雲を吹き飛ばし、再び銀盤に大輪の花を咲かせてほしい――。