「自分は、メジャーリーガーになりたいと思っているので……そこに向かって一歩一歩着実に目の前のことをやっていきたいなと思っています」
10月26日、プロ野球のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに1位指名された早稲田実業高校の清宮幸太郎選手(18)。指名後の記者会見で語った言葉は、高校通算111本塁打という新記録を打ち立てた怪物らしい大胆なものだった。
今回の指名について日ハム球団広報に聞いてみると「清宮選手については交渉権を獲得できたというだけ。これから契約についての交渉が始まるので、今後のことはお答えできません」との回答。スポーツ紙記者が言う。
「清宮のお母さんは、実は息子に早大への進学を勧めていたそうです。息子を手元に置いておきたいという思いはまだあるでしょうね。交渉には両親も同席するでしょうし、球団側もサインしてもらうその時まで気を抜けません」
だが球団側には、契約成立を確実にする“ある秘策”があるのだという。
「日ハムの新人は二軍の寮にまず入るのですが、実はその部屋に入るとメジャーリーガーになれるといわれる『出世部屋』があるんですよ」(球団関係者)
寮というのは、千葉の鎌ヶ谷にある二軍グラウンドに付設する鉄筋5階建ての「勇翔寮」。日ハムの本拠地は札幌だが、高卒ルーキーは全員この「勇翔寮」で生活する。
「05年に入寮してきたのは、ダルビッシュ有投手(31)。現在メジャーリーグのドジャースに在籍する彼は一軍で活躍するようになっても自分の部屋を『荷物置き場』として使い続け、メジャー移籍するまで手放しませんでした。それが『出世部屋』として語り継がれる404号室です」(前出・記者)
12年、ダルビッシュが渡米し退団。空室となった404号室に入ったのは、プロ野球史上前例のない投手と打者の“二刀流”に挑戦した、大谷翔平選手(23)だった。
「その大谷もこのオフにメジャー移籍が確実視されています。2人の先輩を負ってメジャーリーグを目指す清宮君のために、この404号室を用意したーー。そんな殺し文句が契約交渉で使われるのは確実でしょうね」(前出・記者)
記者会見で清宮は、こう語った。
「ダルビッシュさんや大谷さんなど、素晴らしい選手が育っているので、自分も同じように育っていけるのかな」
憧れの巣立った「出世部屋」から、清宮のメジャーへの夢が始まるーー。